近嵐 隣

ちからし となり

任せな、俺が片っ端から何とかしてやるよ。
…流石にキマっただろ今のは!な?どうだ?


男|181cm

17歳|2年|三級

color : 楝色

pair : 乙無 白亜

♦ Character ♦

喜怒哀楽がそのまま顔に出る脳筋。いつ何時も己が気持ちいいと感じる方が正解だと信じて疑わず、小難しい理論は悪びれずに聞き流すのが常。衝動で生きる感覚派だが、「何とかなるだろ」で「何とかしてきた」自負で楽観的な思考に拍車がかかってしまった。齢十七を超えて尚根っからの悪はいないと豪語する等、甘ちゃん思考を捨て切れない純朴さが相俟って、いつか命の恩人として求愛される日が来るのではと至極純粋に期待している。呪術師として生きた父の面影を追うようにしてこの道を志したが、皮肉にも呪術師としての才には恵まれていない。極端に自らの危険を顧みないきらいがあり、一心不乱に戦いに挑む中で流した血の分だけ成長中。

♦ 呪具:鵠鈴(こくりん)、鴉音(からすね)

生来呪力に乏しい代わり、類稀な身体能力を把持している近嵐は主に二つの呪具を用いて敵と対峙する。真白の神楽鈴・鵠鈴の玲瓏たる響きは己の俊敏性と腕力を一時的に増幅させる効果を持ち、音叉に似た漆黒の鴉音はその音波で敵を失神させるが、格上相手には効かないケースも多い。呪具の効果に頼りながらも、呪具そのものでぶん殴る物理攻撃に特化した肉体派だが、命中率は精々5割。

Chikarashi Tonari
♦ Past days

んあ?(学年も等級も関係なしの無差別級稽古を終えた正午過ぎ。晴天とは言え常人ならばコート必須の冬風の下、ビックサイズの音叉を肩に担いだ半袖Tシャツ男の脳裏は空腹を埋める算段に満ちていたから、傍ら歩く級友の呟きへ応じた間抜けな音はつまるところパードゥン?とイコールだった。)な~んだよ、んな不安がるこたねえだろ!言ってみりゃラスボス戦回避の為に助けに行く訳だかんな、俺らは。一人って訳でもねえし、ナンボ何でも何とかなんだろ。……ハッ、もしやお前だけ追加課題出されてるみてーな、そういうアレか!?(もしやの可能性に思い至り、憚らず張り上げた声が俄にこだまする。即座に否定されれば尚更不安そうな表情に疑問が残ったから、顰めた眉は戻らなかった。無論根っからの楽天家がのたまう大丈夫に根拠なんざ一つたりとてありゃしない。小難しい話にはノータッチが常でも悩む友人を看過できやしなかったから、眼差しは暫時彼から動かなかった。)はあっ!?逃げたくないって言われたら!?…たら~……、えっ!?助かりたくねえとかそんな奴いるか?(まるで思い至らなかった可能性にぶち当たれば狼狽もいいところ。人の数だけ正義があると知ってはいるが、共感できぬ思考回路に寄り添うのはむずかしい。腕組みしながらの思案顔は口をタコのように尖らせながら、低い唸り声を伴った。)いやあ~、俺マジで全員外出たがってんだと思ってたわ…。どうすんだろ?逃げたくねえなら連れてかなくてもいいんじゃねえ?マリオだってピーチ姫がクッパのとこにいたいの~っつったら助けねえだろ……って今一瞬思ったけどそりゃ駄目だ。ラスボス・阻止・ゼッタイ!!(眉間の皺を深くしながら然して思考介さずに出した解を即座に翻した後、たっぷり三秒。「っしゃ!!」と気合の一声とともに左手でパァン!と自分の太腿を張ったなら、晴れ晴れした顔で横を見やった。)ハッハッハ!分かんねえ!考えたけど分かんねえもんは分かんねえな~。逃げたくねえっつわれたら、どうすりゃいいかそんとき考える!(杞憂を願い、躊躇なく一切合切の煩慮を手放せば「あんま悩んでっとハゲんぞ!」と友人の背に手遊びのような張り手をお見舞いしてやろう。ドがつくポジティブさと危険を顧みず突っ込む猪突猛進さが強みと自認しているからこそ、懊悩とは無縁だった。)腹減った!メシ食おうぜメシ!俺今ならカツ丼とラーメンセット軽いわ~。(たとえば今、呪具を担いでいなかったら。大食をあっけらかんと言い放つ様はきっと、世間に数多といる高校生そのものに違いない。されど、晒した腕に残る傷痕も、幽かに耳朶を震わす鴉音の響きも、まだ見ぬ囚われの姫に思いを馳せるのも、全て引っくるめて近嵐隣の日常だ。)