穿月桐静〆 ♦ 2021/02/15(Mon) 23:53[95]
(愛も恋も重ね合わせて、大好きな君にお気に召すままに。遠慮なく抱きしめる細い体に、何年越しの「好きだよ」をようやく紡げたなら、一緒に笑い合えるだろうか。――幸いの行方は見えても、今は未来が不透明。バタバタと準備する周囲に混ざって衣装を整え、メリケンサックの予備の具合を確認する。子供たちには大丈夫だからと声を掛けて。最後の最後、声を聞いていくべき相手は決まっている。この数年で彼女は随分と変わった。たくましくもなったし物覚えもよくなった。それは知っている。だからこそ、)……いい子じゃなくていいよ、我慢しないで。って、……俺がいえる台詞じゃないんだけどなぁ。(あ、無理してるなーって思ったから。もう一度ぎゅっと抱えて、背中をあやすことにした。)心配させてごめんね。きっとこれからも何回だってこういうことあると思うけど……ちゃんと生きて終わらせてくるから。帰ってきたら泣いて抱きしめてよ。なんかへまして帰ってこれそうになかったら、怒って迎えに来て。(大丈夫、大丈夫。そうやって鼓動を重ねて言い聞かせるように、何度だって。離すころには彼女はどんな表情をしているだろうか。いずれにせよ、男は眉を下げて笑っているんだろう。とても英雄には見えない情けない顔だって、この足でどうにかこうにか歩いている。――術を初めて覚えた時は、悪ガキだってただの子供だった、気がする。今だってそう変わらない泥棒だけど。)ずーっと前にやってくれた、額ごちんってやるやつやってよ。……あれあるとね、一等かっこいい泥棒になれる気がするんだ。(屈んでそんな戯言を。君に頑張れって言われたら、ほぼ怪盗くらいまではイケる気がするから。なんて、そんなことは口が裂けても一生言わないんだろう。)――行ってきます、祈織さん。
(患者番号XXXXXX:穿月桐静。渋谷事変での戦闘で意識不明。他呪術師が駆け付けるころにはすでに瀕死の重傷。膝立ちのまま意識を失っていた。現場周辺は血の海。穿月桐静の背後の建物以外は鋭利な刃物で切り裂かれたような痕跡あり。倒錯×芹演法、反転術式の影響と思われる。建物内には生存者が数名。霊障でひどく衰弱しており、うち一名は間もなく死亡。他、重軽傷。 現在、継続治療中。)