穿月桐静〆 ♦ 2021/02/08(Mon) 10:32[83]
(生きているなら明日は来るし、間違えたって上から塗りつぶしてやり直すことはいくらでもできる。それを改めて教えてくれた少女を胸に抱えて、絶賛生き死にの瀬戸際中。あの担任のことだからちゃんと綺麗に飛ばしてくれたし、能力値を見越してこういう手段をとってくれたんだろうけれど、それにしたってそれにしたってだ。)賛成……嫌いなものがあるならそれも出ればいい。(はははと乾いた笑みを浮かべながら重力をじわじわと感じるまま、まだ上がる。陥没しないためにさてどうするかと考える前に、彼女の声が響くもんだから。また困ったように笑うんだろう。相変わらず物騒だなぁとは、言わないことにした。)……そんなこと言われたら、期待に応えないわけにはいかないなぁ。(上昇と落下の切り替わり。丁度無重力を感じる数秒にはにかみながら。いつかこんな、何にも怖くないみたいな笑みに、同じものを返せる日が来るんだろうか。まだわからないけれど、眉を下げたままでも笑っていたのは確か。背中に回していた手を脇と足に滑らせて、空中で器用にお姫様抱っこに切り替えたなら、いっちょいつもの行ってみましょう。)倒錯×芹演法――「百日紅」(絞り出したかすっかすの呪力で一人分のレーンを作りながら、彼女を抱えて天から地上へ戻っていく。長い長いすべり台を滑って、施設から少し離れた森の空き地に降り立つ頃には立つことすらままならなくなっていたって、今日もどうにか生きている。無事に補助監督が迎えに来てくれる頃には、呪霊の残党含めて全ての片が付いていることだろう。その点に関しては、あのハチャメチャな担当教諭をめっぽう信用しているから。)――……帰ろうか、祈織さん。(手を伸ばして握った手のひらに当たり前に、そう言って笑う。夜明けは近い。今日が来る。)