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【2B】(根ざせば巡る、廻りて育つ)

卯木祈織 ♦ 2021/01/14(Thu) 01:47[37]

(生まれて初めて思い切り笑い、腹部の筋肉痛を噛みしめた明くる朝から早数日。高専敷地内でしゃがみ込み、まんじりともせず人の往来を眺めている饅頭もとい娘の姿があった。ちなみに本日はコクーンシルエットの黒のワンピースにブラウンのフーディーコートを重ねて、まさに薄皮饅頭と言ったところ。)あ。(彼の姿が視界に入れば、思わずと言った具合に声が出た。)セイみっけ。おはよう……おそよう?(時刻はもうすぐブランチタイムに入る頃。相変わらずゆるい口ぶりで彼に声を掛けに行く。それからこてんと首を10度ほど横に傾げて「今日って、予定もう埋まっちゃった?」と尋ね、返事が返ってきたら続きに入ろう。)お願いがあるの。あのね、ゴム買いに行こ。髪ゴム。(あの日以外おろしっぱなしの髪は、Xと違い閉鎖的ではない高専において邪魔になりやすいことは言うまでもない。前回は彼に借りたものだから帰ってすぐに返却済み。では買いに行こうと思っても単独行動が許されていないから今に至るというわけだ。)引っ掛けたらまたブチッ、でいいやと思ったけど、前、セイにドン引きされたような気がして……結ぶ技術は未習得でもとりあえずブツがあって始まるかなって。いざとなれば手近にいる人に片っ端から結んでって頼み込んでいけばいいし…。なので買いに行きたいです。(どこで習ったのか、あざといおねだりポーズも表情が気だるげなままだから台無しである。)

穿月桐静 ♦ 2021/01/14(Thu) 22:01[38]

(奪還されたお姫様方もとい、救出した少女たちも徐々にこの高専に馴染んできているのだろうか。軽いトレーニング帰りに「お姫さんあそこに座ってたぞ」「姫ちゃんが向こうにいたよ」と言われるもので何事かと思えば、なるほどこういうことか。廊下を曲がった先で座り込んでいる彼女とエンカウントした男は、メリケンサックをしまってひらりと手を振った。)こんにちはかな?祈織さんが今起きたならおそようだけど。……?空いてるけど。(むしろ彼女の護衛こそ予定なのであいてないなんてこてはないのだが、それを言うのは野暮だろう。ゆったりと聞く構えをとって。)……そうだね、ドン引きしたね。というか衝撃の初対面だったよね?色々物言い物騒だね?(こてん、と同じ角度で同じ方向に傾く男は今日も今日とてにがわらいだ。あざといポーズもガタイのそこそこいい派手な男がやればコントでしかない。ツッコミもこの辺りにしてごほんと一息。)勿論、可愛いやつ買いに行こう。可愛くて使い易いやつ。(あれそれ言うが最終的にこうなればやっぱり甘いのかもしれぬ。が、彼女が意欲的であるのは大変好ましいことなので、気分が変わる前に準備を整えてしまおうか。)今日は一旦俺の使おっか、飾り気ないけど。(ポケットから取り出した髪ゴムはあの人同じものだ。その辺に腰掛けてもらって、)今日はどんな髪型で?(気取って聞いてみた。)

卯木祈織 ♦ 2021/01/15(Fri) 03:50[39]

…じゃあ、おそよう。(元は早起きでも寝汚くもないが、比較的安全な高専での生活に堕落している節はある。くあ、とあくびをする様は犬猫さながらで寝起きを物語る。身だしなみも洗顔、着替え、髪は一度梳るだけでおしまい。自分への関心は今日も今日とてゼロに等しく、彼がやりたいことがあるとか高専にいたいとかであったのなら秒で諦めるつもりでいた。やんわり苦い感想を伝えてくる彼に無理めな予感を抱くも、重ねて続けられた言葉に今度は首を逆方向へ。)ジェットコースターみたいなセイの術式の方が、ずっと衝撃的だったけど。(物騒さに心当たりがなく後半はスルーした。どこだろうと内心気にするようになってはいるのだけれど。だが優先するのは、揃いのポーズをした彼に「かわいいと思う」とコメントの方。自分のことより目の前の人の方が面白くて楽しいことは学習済みだ。それに、善行をしていなくとも幸運の女神さまは微笑むものらしい。)…ん。(結局許容された我儘に唇の端が僅かに緩み、定まった予定に確かな満足――いやそれ以上。)ふふ、(その道のプロっぽく尋ねる仕草にとうとう緩むに留まらず笑みが落ちた。)とびっきり可愛くしてくれる?……なぁんて。ポニテにしよ。(多分一番簡単だろう結び方をリクエスト。終われば一番近いショッピングモールに向かうとしよう。なお可愛いヘアゴムの定義は知らないので、豊富な品揃えを前に固まる未来なのは間違いない。)

穿月桐静 ♦ 2021/01/15(Fri) 11:28[40]

ん、おそよう。夜更かしでもしてた?気を付けなきゃだめだよ(苦言を呈すようで、穏やかな顔をしていればそうも見えないか。実際睡眠なんてものは気の休まる場所でしか満たされないものだ。夜更かしでないなら今は寝たいだけ眠ればいい。「ははは……本物に乗りに行く?」先日のド派手な脱走劇を思えば顔から生気が抜けるような思いでもあるが、やっぱり連れ出してよかったとも思うのだ。)……よく笑うようになったね。いいこといいこと、笑いは健康にいいらしいからね。(穏やかな気持ちが言葉になって吐き出されていく。櫛とコームを追加でポケットから取り出して、やっぱり彼女の髪をほぐすところから始めようか。シャンプーはネットで注文済みで、ひとまず届くまでは自分が染髪していた頃に使っていた残りを渡した。鈍い赤は陽の光に当たると余計に花染みる。)お花みたいな色に見合うよう努力する。……ポニテなら―、今日は藤の花みたいになるかな。(こなれた様子でポニーテールにまとめた髪が、ショッピングモールまで向かう道中風に靡く。「重たくない?」髪の長さ故ににそう尋ねながら、やってきました二回目のショッピングモールinこじゃれたアクセサリーショップ。)……おーい、祈織さん、大丈夫?なにから見ようか。(固まってしまった彼女の前で手を振り振り。お値段御手頃なお店故、周りの客も店員も自分たちと年齢層は近そうなので、最悪彼女らを参考にすればいいが、さて。)

卯木祈織 ♦ 2021/01/15(Fri) 20:11[41]

(普通の子供みたいに扱われることへの面映ゆさはいまだ慣れない。それでも二つ返事で応えて良い子を真似て。冗談まじりに言われた提案に「ほんと?」と素早く反応してみせたり、端々に以前との変化が生じ始めているような。)そ、う?いいことなんだ、これ。……やっぱり先生みたいよ。人に教えるの向いてるわ。セイに教わったことはぜ………結構覚えてる、と思う。(全部は無理だと即撤回したが、分け与えてもらった物の使い方は頭に入っている。そのことは伝えるべくアピールを。無論、彼の面倒見の良さに助けられてこそ今がある。)詩人ね。(揶揄ではない。髪色を花の色と喩えることも、結び方ひとつで花の名を用いるところも、己にはない感性だ。多くのものを見て感じて考えて、そうやって磨かれたのだろうか。目を細める眩さは太陽のせいにしておこう。「へいき」と返事したあとは、髪に触れている眠たくなるぐらい心地いい手のひらを甘受した。――なんて油断していた罰か。選択のパラドックスに嵌まった娘の視線は右へ左へ行ったり来たり。)何から……?え?こんないっぱいでどうやって選………ええ……や、安いやつから…?あ、でも(目の奥にはぐるぐる模様が描かれていそうな困惑の中、絞り出した言葉は、)金色……か、黄色がいい。かも。(眼裏でかの人の金糸、その明るさが瞬く。)セイとおんなじ色なら、どこかに忘れてもすぐ思い出せる気がするから。多分。

穿月桐静 ♦ 2021/01/16(Sat) 10:47[42]

受け売りだけどね。……ま、言葉ってそんなもんだよ。響かない言葉はここに残らない。(とんとんと人差し指でつつくのは己の心臓の上。だからこそ、結構覚えていると言ってくれた彼女にはへらり表情を笑みに崩すのだろう。こんな言葉の全てでなくとも届いているのなら、と。)頑張って気取ってるんだよ。……髪、いい色だね。(謙遜ではない。ただ綺麗だといえば済むことを比喩するのは、その綺麗の中にも彼女に見合うものを探したいからだ。誤解だけはないように飾らぬ本心を付け加え、完成したポニーテールを一度ぱさりと揺らした。――ここまでは調子が良かったように思えるが。固まった彼女に苦笑して。)全部似たような値段だからなぁ。遠慮せずに選んで……っていうのが難しいのか。(それは困ったとあごに指をあて。彼女から言葉が零れだしたら、実を少しかがめて耳をそばだてる。予想外にくすぐったい要望に、ふはりと違ったにがわらいを零した。)そりゃ気合入れて探さなきゃだ。(目立つ色ではなく、自分と同じ色と言われれば。気恥ずかしくならない方が野暮だろう。ゆっくり彼女の背中をさすってからペースを合わせて店内を巡ろうか。金メッキのような光沢をもつもの、黄色の布やワンポイントを使ったもの、幾多の髪飾りーの中から選んだのは、)……これだったら結びやすいし、可愛くていいかな。どう?(葉っぱを模したぴかぴかのチャームが二枚ついているヘアゴム。近くの鏡で彼女と髪色とのバランスを見てみるが、さて。無論他にもいくつか見繕うつもりだ。)

卯木祈織 ♦ 2021/01/16(Sat) 19:00[43]

…勿体ないことをしていたのかな。(消費するだけの毎日だった。留めようとも思わなかったものたちは、一度忘れたら忘れたことも忘れてしまって、振り返っても足跡すら見つからない。そのとき響かなかったとしても、彼に伝えられるような言葉があったかもしれないのに。歪む唇が苦くわらったのは悔恨か。喉の奥が熱い気がして、慌てて少し俯いた。)…訂正。セイは先生よりホストが向いていそうよ。きっとシラフでも十分女の人たちを誑かせることができるわ。(冗談めかして告げてちょっと想像してみよう。くす、と笑声が漏れる反面、そしたらもうこうやって髪を結んでもらうこともないだろうなと思えば寂しいような気が、少し。)考えすぎると脳がパンクしちゃうから、わたし。(ぐるぐる、ぐるぐる。思考も目も渦巻きだした中差し伸べられた救済の手に、一も二もなく飛びついた。)よかったぁ…。セイイメージなら真剣に探さなきゃだから、わたしも頑張ってみる…。(享受するだけの方が性に合っている、が。面倒を見てくれている彼をイメージした以上こちらも真面目に取り組まねば。と言っても彼にくっついて見て回るのが精一杯。どれがいいか首を傾げすぎて、いい加減首の正しい位置を見失いそうだ。)!ん。セイが可愛いって言うなら可愛いはずだから大丈夫。それに、(身体をくるりと反転。)選んでくれたのが嬉しい……嬉しい?からそれがいい。(自分の感情だって掴み切れないけれど、きっと今抱いているのはそういう気持ちだから。柔らかに笑みを落としてやる気なさげなピースサインもくっつけた。)

穿月桐静〆 ♦ 2021/01/17(Sun) 11:06[44]

んー……それに関しては俺からは何も言えないかな……。悔いても戻るわけでもないし。勿体なかったのか本当に響かなかったのかは、きっとこれからわかるよ。(緩やかな声には自嘲が滲み、されど髪を梳く手は優しいもので。大丈夫、大丈夫、ゆっくり言い聞かせるように手を動かす。後悔という釘は力技で抜けるものではないと知っているからこそ。「えぇ……」と冗談に困ったふりをして、彼女だけの後悔には深く触れないことを選んだ。――その代わりというわけでもないが。今この瞬間にいる少女を男は見捨てない。今度は明確に「だいじょうぶ」と唱えながら背中をさすり。)なんだか光栄な気分だなぁ……。よし、……じゃあ一緒に頑張ろう。他にも気に入ったものがあったら遠慮なくいってね。(受信エラーが起きまくるファックスを思い出しながら、紙詰まりを丁寧に処理していくように。比較的彼女の反応がスムーズだったものを選んだつもりだった。でもそこに追記された理由に、眉を下げてはにかんだのは男の心からのものだった。)……買わないわけにはいかないなぁ、それは。(照れ臭い、気恥ずかしい、自信も満々というわけではない。彼女がいらないといえば棚に戻してしまうつもりだったそれは、然りと彼女の手に手渡された。ご機嫌を示すサインまでつけられてしまっては、あれもこれも選ぶなんて荷が重いなんて言ってる暇もない。これはどうかと聞くだけではなく、使いやすそうだとか似合いそうだとかそういう理由がくっつきだした買い物は、少しだけ順調に進んだかもしれない。結果片手で足りるほどの髪飾りを購入した後は、当然のようにその袋を彼女の手に。――穿つ杭にもなりはしない、それでも祈ってはいたかもしれない。今日のような平穏が、彼女のこれからにありますように。)

卯木祈織〆 ♦ 2021/01/17(Sun) 22:51[46]

…ん。わかるといいなあ。(きっとこれから。そう言われたら本当にそんな気がして頷いてみせた。さする手の温情に苦さの残る顔もほどけてやんわり緩んだら、今日の出来事を鋲で心に留めよう。『これから』思い出が重ねられても、もう取り零したりしない。)そう?高名な呪術師様とご一緒できてわたしも光栄の至りだわ、なんてね。……ねえ、これ傍目から見たら好青年をATM扱いする悪い女じゃない?…セイ、あんまりわたしを甘やかしちゃ駄目よ。(浮足立ちそうな己を制するためにも、あえて可愛げのないことを口にする。彼の善性を食い物にするゴミにはなりたくなかったから。過去言われたことがあったとしても、この人に引け目を感じる要素を作るのは気が進まないことだし。――困ったように照れ笑う姿につられ、女の唇からも柔らかな曲線を描いて呼応する。嬉しいな、ともう一度唇が紡いだのはきっと無意識。)ふふん、勝利。言い負かせました。(にんまり笑ったのは一瞬。しかし目視できるだけの茶目っ気を乗せて冗談めかす様は珍しいと言えるだろう。使いやすさについては言及していたくせに、似合う似合わないになると途端に口数が少なくて。自分へのはまだまだ難しい。デザイン性重視のものには「造りが繊細で壊しそう……」と及び腰である。そんな中、「これはセイに結んでもらうとき専用ね」「もしくはセイと会う時」と、人差し指を己の唇へ。内緒話をする子供のように、密やかに微笑んだ。――投錨とは違う、進むために穿たれた道を信じてる。)

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