穿月桐静〆 ♦ 2021/01/13(Wed) 17:37[35]
この場合は叱ってくれる人の方が優しいと思うよ……はーぁ、俺甘いのかなぁ……(よいしょと抱っこするこのお饅頭はいつになったら大人しくなってくれるやら。一番近くにいてこちらの様子を窺っていた店員ににへらとにがくわらって頭を下げ、よしよしをするていで彼女の頭をぽんぽんたたいた。この状態で仕掛けてくる無謀な刺客はいないと考えたい。彼女しか守れないだろうから。)……人生苦もありゃ楽もあるってね。楽しいの次は恥ずかしいも覚えてくれると俺が嬉しいかなぁ。(ココアにはちみつ練りこんだみたいな、心底今生まれましたみたいな味をくすぐったく聞く。それはよかったと言えるほど薄情でもなく。相槌に留めるにはひねくれていて。飾りまみれの耳を揺らしてはははと乾いた笑みを響かせようか。)……君のいきたいところなら、どこだって。(結局着地したのはこんな言葉。甘いのか薄情なのか、それとも本当に寛容で優しいのか。それは彼女の感じ方に任せよう。それこそ己が決めるものではなく、己という人間を見た彼女が決めることだ。彼女を抱っこしたまま歩くショッピングモールはそこそこ人がいて、そこでどちゃくそ目立ってはいるが、どうやら敵さんも今日は空気を読んでくれるらしい。自分より頭一つ高い世界を見ているであろう彼女を視線だけで見上げて。向かう先を変えた。)じゃあ今からそっちいこう。小腹空いたし。ファストフードのフライドポテトはお店で出てきたのをそのまま食べるのが一番ウマいんだよ。(彼女と荷物を抱えて、フードコートに進んでいく。緩やかな足取りで、緩やかな今日を歩いていこう。)ポテト、揚げたてだといいね。(そんな穏やかな言葉と共に。)