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【2A】(純白とつなぐオーバータイム)

近嵐隣 ♦ 2021/01/06(Wed) 20:28[25]

よ、白亜。準備できてる?(12月27日金曜日、正午過ぎ。既に買い出しの旨は伝達されているだろうと踏んで、乙無が充てがわれた部屋に訪問するなり一も二もなく問うた。奪還後の護衛任務までもが昇給試験になるとは露ほども思ってはいなかったが、近嵐にとっては純粋に好都合だった。逃げたい意思が端からあったのでなく、多少なり口車に乗せた自覚があればこそアフターケアも自分の役目と思っていたからだ。教師の外出促す言葉にも何ら躊躇なく、「これ俺も自分の何か買ってもバレないんじゃねえ!?」なんてやおらテンションを上げる始末だったから、浮足立つような態度は明らかに違いない。)お前その服とパジャマ?みてえなのしかクローゼットに無かったけど、服はもっとあっていいし、本読みてえなら本買ってもいいしさ。(持ち得る情報から彼女に必要そうなものをピックアップ。貸しっぱなしの黒いダウンがハンガーにかかったままなら、慣れた手つきで取って差し出しながら、)欲しいもんある?(きっと初めてづくしに取り囲まれている彼女へ、ひとまずのお伺い。)

乙無白亜 ♦ 2021/01/07(Thu) 00:45[26]

うん。 じゅんび、いい。(彼に手を引かれ、自らの意思で“学校”へとやって来て数日。信徒に連れられXに身を置いたあの時のように、ここにもむすめにとっての「はじめて」がいっぱいあった。呪いについては正直よくわかっていないものの、ここがXとおんなじようにあたたかくて優しい場所であるのだということさえわかれば、今はそれでいいのだろう。高専専属医師の家入硝子の診断を受けた結果、冬の日差しであっても身体に支障を来す可能性も否めないとのことで、彼を迎えたむすめの出で立ちはいつもの修道着風ワンピースと日除けのための鍔広の白い帽子(大人用)、黒くて丸いサングラス(大人用)、そして彼に貰ったちょっぴり大きいベージュのムートンブーツといったふうに絶妙にちぐはぐしていた。買い物の間は着ていなさいと押し付けられた帽子とサングラスは小柄なむすめが身に付けるといっとう大きく見えてしまって、より見た目のアンバラスさを助長している。これに借りっぱなしの黒いダウンを羽織ったならばここにカオスが爆誕するかもしれない。)本、ある、いい。 べんきょう、は、せんせー、教えてくれる。(こくりと頷きひとつ。先生とはむすめの教育状況を不安視し自発的に名乗りをあげてくれた高専の関係者たちのことで、むすめの知育発達の面に置いては今後も心配いらぬであろう。ごそごそ、ポケットを漁る。)これ。買うといいって、せんせ、言ってた。 だから、これ。(欲しいものと聞かれてポケットから引っ張り出したのはメモ帳だ。綺麗な筆跡は明らかに大人の字で、生活するうえで必要最低限の物が記されている。)となりは、ほしいもの、ある?(今度は彼へとおんなじ問いを返した。)

近嵐隣 ♦ 2021/01/08(Fri) 01:05[27]

(外出のためにファッションショーを開くタイプでなければ、そもそも着の身着のままやってきた彼女にはショーを開くための服がない。そう知ってはいても、目の前で爆誕したカオスこそが準備万端の図だと解するまでに一瞬の沈黙が落ちた。)ッハッハッハ!!や~べえ、すっげえ目立つなそれ。そういやさっき聞いたわ!あんま日に当たっちゃいけねえんだって?(馬鹿でかい無遠慮な笑声で静謐を破り、女優帽とサングラスで芸能人ごっこでも始めそうな出で立ちを以て「とりあえず服だな服」と一つ目の目的定めるに躊躇はない。こちらと言えばサックスブルーのパーカーにぬくぬくの黒いMA-1を重ね、動きやすさ重視のジョガーパンツと背負ったリュックの中に潜ませた呪具がデート<護衛の最低限の意識である。)いーじゃん。誰が教えてくれてんだろ。(メモ帳を受け取ったなら、行くかと声掛け一先ず玄関へ。メモを上から順に黙読しながら首を捻った。)俺もここに書いてあんのはゼッタイ買わねえとだと思うけど、俺が聞いたのは白亜が欲しいもん!ねえの?つーか買い物したことねえ?(知り得る彼女の半生踏まえての予測を立てたところで、当の彼女の心境を推し量るのは難しい。何せ返ってきた疑問符に一も二もなく頷く思考を持している。)ある!最近キツくなってる気がすっから靴だろ、何ならiPhoneも買い替えてえし、……あワックス無くなりそうだからそれは今日欲しいわ。(指折り数えるようなピックアップの最中、ささやかに冬の陽が降りる薄曇りへと足を踏み出したなら、「あ」と思いつきの短音が愉快そうに響いた。)俺いっこ白亜がほしそうなもの思いついた。

乙無白亜 ♦ 2021/01/08(Fri) 07:02[28]

しょうこ。すこしは、だいじょうぶ、言ってた。 あと、たのしむ、しておいでって。(好きなひとが歓んでくれるのは嬉しい。だから彼の笑い声を聞くと、笑ったかおばせを見ると、それがどんな形であっても胸のあたりがほわほわあったかくなった。されど自分が面白い格好を理解していなければ当然目立っている自覚もないゆえ、「目立つ」を聞けば不思議そうに小首を傾いで聖夜とはちょっぴり雰囲気の変わった彼を見上げただろう。動きに合わせてさらりと揺れる白髪は帽子のお陰で街中で目立たなくなったのに、格好は通り過ぎるひとに二度見されそうなくらい怪しさ極まりないのだから日除けと防寒以外は最早捨てているといっても過言ではない。医師として日除け対策を渡した上で、けれど日差しを浴びたら死ぬというわけではないのだからと、楽しんでおいでとひらり手を振ってくれたひとの言葉をそのまま彼へと伝えながら行くかの声には頷いて玄関へと足を進めた。)それ、まさみち、くれたの。(誰と問われてむすめが落とした先生の名は夜蛾正道、まさかまさかの高専の学長である。基本は下の名前呼び捨て、無知なるがゆえの恐れ知らずだ。)わたし、の? ……考えたこと、ない。買いもの、も、ない。(ふるりとかぶりを振り、小さく髪を揺らして否を示す。信徒の言うことに唯々諾々と従い、与えられるものをただ受け取るだけの生活を繰り返してきたむすめだからこそ、彼と出逢っていなければあんなふうに我儘をいってXを出ることなどなかったろう。靴以外には聞いたこともない「欲しいもの」を指折り挙げていくその姿へ「買う、できる、いいね」とこくりと頷きつつ、三度目の外の世界へ足を踏み出した。聖夜の夜に見た瞬間と異なる世界の色に、明るさに、光を吸収した紅玉をきらりと瑞々しく輝かせながら。)なあに?(なんだろうって、不思議そうに彼を仰いだ。)

近嵐隣 ♦ 2021/01/08(Fri) 23:58[29]

(素直な感情表現の残滓を呼気に滲ませながら、不思議そうな仕草にすら小さくほくそ笑むのだからとんだ笑い癖がついていた。)ぶっちゃけあんま似合ってねえ!つーかサイズが合ってねえから変な感じに見えんだよな。もうちょいお前に似合うもん買おうぜ。(オブラートに包まぬ口吻で好き勝手に提案。助言した人物に即時納得の頷きを経て「そんでも疲れたとか変な感じあったら言えよ」と告げたなら、体調面の懸念は自己申告に任せるつもりだ。護衛任務たる意識は忘れちゃいないが、奇襲に終始脅えるタイプではないから楽しむ準備はばっちりだった。)まさみちって誰だっけ?あ、5分くらい歩く!(下の名前までパッと思い出せない記憶力はもしかしなくとも彼女に劣る。答えが出ないまま、手のひらパーで所要時間を示した手でそのまま隣り合う彼女の手をとった。)んじゃ考えてみ。白亜、好きとか嫌いとかあんじゃん。黒い服じゃなくて赤とかピンクとか、白亜が好きな形の、好きな色の服着ていいし。あれ食ってみたいとか飲んでみたいとか、そーゆーんでもいいよ。俺はこの服とか、いろんな色あったけどこの色が好きでこれにした!(嗜好自体が欠落している訳でないと知っているからこそ、人任せのメモは参考に留めて自己決定を促したがった。サックスブルーの生地を摘んで説明しながら手を揺らし、傍らに視線くれれば、ルビーみたいなきらめきが頭の中の色と重なった。)マッチ。まぁ火ついてもあんな夢みたいなのは見えねえと思うけど。(お喋りしながらの道中、彼女の歩幅に合わせた歩みでは到着までは予定を少し超過しよう。ショッピングモールへ揃って足を踏み入れれば、ふさわしそうなフロアへ移動すべく、エスカレーターへと手を引いた。)気になる店あったら見ようぜ。

乙無白亜 ♦ 2021/01/09(Sat) 01:59[30]

(似合ってないの言葉を以て漸う自分の格好へと眼差しを落とす。そんなふうに頭をほんの少し下へと向けただけでサングラスと帽子がずれるほど不格好である、とまではさすがに気付けないけれど、似合うものをとの言葉にはこくりと頷いて、身を守るために身嗜みを整えた。体調だっていつも通り、悪いことが起こる予感なんてこれっぽっちもない。気遣いへは「うん」と従順に同意を示しつつ。)まさみち、は、せんせい。とてもおおきい。にんぎょう、いっぱい、持ってる。(むすめも彼に説明できるだけの情報を持っていなかった。とはいえ件のまさみちが誰かわからずとも此度の外出になにも問題はない。5分でも10分でも手を繋いでいればむすめはどこまでも歩いてゆけるから、当たり前のように握りかえして、道中、自分の頭でぐるぐると考えた。)……あのね。 いろ、白がすき。てんしさまに、「たすける」されて、はじめて見たいろ。だから白は、すき、思う。 でも、となりのいろ、も、すき。(眸の色。御髪の色。そういえば彼と出逢った時も、クローゼットが開け放たれた瞬間、このまなうらはライトの白い光を浴びていたのだ。服の形、食べたい物、飲んでみたい物も、この調子なら案外すぐに見つかるかもしれない。彼が纏う服の色をじっと見つめては、淡い薄雲のかかる冬の空を指差し「お空のいろ?」それとおんなじだねって素直を音にした。)! 買う、できるの?(パッと彼を見上げた紅玉は喜々と輝く。マッチがどんなものかぶっちゃけ知らないものの、単純に憧れのほうが強い。動く階段、もといエスカレーターへも興味津々で「うごいてる」なんて当たり前の感想を告げた声色はどこか浮足立っている。エスカレーターが終点についたのはちょっと残念だけれども、その先でふと目に留まる光があったなら、)となり。(くいくい。繋いだ手を引っ張って、「あそこ」と気になるお店を指差し。必要な物を記したメモにはない、オルゴールを売っているショップだった。)きらきら、たくさん。 クリスマス、ツリー、みたい。(あの日に見たツリーはもっと大きかったけれど、遠く見える間接照明のふんわりとした明かりをガラス細工のオルゴールが反射させるさまは、どことなく聖夜の夜に見た光を彷彿とさせた)

近嵐隣 ♦ 2021/01/09(Sat) 20:31[31]

(生まれたての雛は目の前にあるものを親鳥と覚えてしまうと言うが、クリスマスの晩を経て近嵐が乙無白亜に対して抱く感覚はその逆だった。握り返された手にじわり庇護欲を刺激されれば、親かあるいは兄にでもなった心地が彷彿として眉を下げた。彼女の〝好き〟に繰り返す相槌も何処か嬉しげに感慨深さを伴おう。)へえ~~…雪でも降ってたんかな、その日。いいじゃん白。俺も好き。てか俺の色ってどの色?これ?(もう一度パーカーの青を手のひらで掴んだのは、己が持する色の心当たりがそこだけだったから。まさか茶けた髪や寒色の瞳を引き合いに出されている思考には至らず、細い指が差した天球を仰ごう。「うわマジだ」確かめるみたいに視線を胸元に戻して笑った。)出来る出来る!俺も買ったことねえけど!たぶん百均とかにあんじゃねえかな。(きらめく双眸にまず安堵。自然と百均の解説を挟みつつ、一歩先に乗り込んだエスカレーターの感想により低い位置になった帽子に手を置きながら、更に上へと登ろうとしたところで彼女の声に列から一歩外れた。)ん?あ~~~何だあれ?ああいうの疎いんだよな、俺。置き物?(元より、必要な物より欲しいものを買えばいいとの考えを持つから、きっと高専サイドからしたら優先度の低かろう物であっても爪先向けるに躊躇いはなかった。)ツリーな、アレすげえ光ってたからな~!キレーじゃん。きらきらしてんの好き?……あ、これ天使じゃねえかな。(店先のディスプレイにお行儀よく並ぶ品物を近くで見れば、見覚えある曲名のタグがあったから漸くオルゴールと得心。回転する天使のオルゴールを指差しながら、そう言えばとばかりに帽子を彼女の頭から取り去った。)建物の中なら取ってもいいんだっけ?邪魔じゃねえ?そっちも。(今にもずり落ちそうなサングラスを示しながら。)

乙無白亜 ♦ 2021/01/09(Sat) 22:51[32]

(今でも憶い出す時がある。真っ暗闇な空間に差し込んだ、一条の光。視界を染め上げた一面の白。手を引かれて歩くなか、はらはらと空間を舞っていたものが雪というものであると知ったのはそれから2年以上も経ってからのことだ。おんなじものを好きと云ってもらえたことを嬉しがるようにほんのちょっぴり頬を緩めて、彼のてのひらが掴んだものを見ればゆるゆるとかぶりを小さく振った。)となりの、かみのいろ。目のいろ。となり、つくってる、いろ。 だから、すき。(言葉の拙さはまだ変わらず。だから髪、次いで目と、紡ぐ言葉にあわせて順番に指で場所を示しながら彼の色とは彼を構成しているものの色であると伝えたがった。けれど彼の好きな色ならば、お空の薄青だっていつかきっと好きになる。拾い上げた百均なる言の葉には当然のようにわからないと首を傾げて、しあわせになれるかもしれないまだ見ぬマッチへ想いを馳せた。)うん、すき。きらきら、お星さま、おなじ。 となり、は、きらきら、きらい? (サングラス越しだと色とりどりの輝きも夜空に煌めく星のようにおんなじ色に見えた。声に導かれるように紅玉を向けた先で「てんしさま、」見つけた形を食い入るように見つめるむすめの眸は、親に焦がれる子どものようであったかもしれない。)ん。 となりも、つける、する?(邪魔の言葉を聞けばこくりと頷きひとつ。大きいサングラスを外したなら彼へと差し出し、ゆるりと首を傾げた。)

近嵐隣 ♦ 2021/01/10(Sun) 23:09[33]

でもすげえ記憶力だよな。俺あの時見たもんがこういう色だった!とかねえ気がす、…あ。(例えば過去のとある瞬間を切り取っても、目に飛び込んできた色を取り立てて印象深く記憶した事はない。そう思っていた。辿ろうとすれば存外記憶は辿れるもので、「そういや俺もクローゼット開けた時シッロ!って思ったわ!」は2日前の邂逅に同じ色の記憶を重ねよう。緩やかな否定に連なる説明に頷きながら、着地点で俄に目を瞠ってくしゃり笑った。)すっげえ殺し文句じゃん。でも俺も俺の色は好きだわ。白亜の色もキレイだよな~。目とか透けてる感じでさ。(僅かであれ含羞滲んだ照れ笑いを呼気で散らせば、自らの目に人差し指添えつつ何処か懐かしさ憶える色合いを語った。吸い寄せられるように近寄ったきらめきを前に、まずは帽子をリュックに突っ込みながら首を傾げた。)見んのは好き!買うほどじゃねえ感じ?だな~、俺は。その天使気に入った?あ、これまさにお星さまじゃん。……知ってる?(透明なガラスに赤で彩り添えた天使のオルゴールについたタグには『星に願いを』。慎重にそっと手に取り、不器用な指先でゼンマイを巻いたなら流れてくるメロディに重ねて問うた声はうろ覚えの自信のなさが帯びていた。見てえの?って、受け取ったサングラスを笑いながら掛けて対峙する際はピースサインも忘れずに。)サイズは俺のが合ってんな。……あ!うわ思い出した。白亜お前うさぎ見たことある?うさぎ。生きてるやつな。(身軽になった彼女へ向ける視線はサングラス越し。郷愁の端っこを掴んだ。)

乙無白亜 ♦ 2021/01/11(Mon) 01:25[34]

くろーぜっと、なか、しろない。 でも、となり、むかえきたとき、まっしろなった。(はて、あのクローゼットのなかに白いものはあっただろうか。まさか彼の云う「シッロ」の正体が自分であるなどとは露ほども思っていないむすめはわからないとゆるゆる首を傾けようとしたけれど、そういえばクローゼットが開けられた瞬間まなうらを真っ白に染めた色があったことを憶い出したならそれが白の正体だろうかって当時感じた不思議を音にした。同年代の子どもと同じレベルに達するには遠くまだまだ学びの途中なれば、今は丁度想ったことを素直に伝えたがる盛りだ。ゆえ恥じらいもなく好きを言葉に出来てしまうし、聞き覚えのない音を耳で拾えば「ころ……?」と、話しを重ねていくうえで生じた疑問がこぼれ落ちもする。)これ、の、いろ。 てんしさま、みつけやすい、言ってくれたの。(彼がした動作を真似るようにむすめもまた自分の紅玉をこれと指差しながら、信徒と過ごした昔日のことを憶い出していた。ゆえてんしさま語るむすめの声色はどこか嬉しそうに。クリスマスツリー、オルゴール、お星さまのひかり。多感な年頃ゆえかむすめが興味を惹かれるものはとても多い。気に入ったかと訊ねられたならこくんと頷きひとつ。彼の指先がガラスの天使に命を吹き込む瞬間をじぃっと食い入るように見つめてから数秒、)きれい、音。(小さな唇からほぅ、と感嘆の吐息も零れた。知らないとふるりかぶりを振るも、拙くも天使が奏でる音階を口遊むくらいにはすっかり「星に願いを」の旋律の虜である。サングラスを掛けた彼がこちらへピースサインを向けるまで間もなく、彼のかおばせが正面を向いたなら、ゆるやかに頭を傾けた。)となり、ちがう、みたい。(かけるようにと促しておきながら、サングラスを付けた彼を見てむすめが放った第一声がそれだった。目がわからなくなるだけで印象が随分変わるものなのだと理解して、問いかけには否を示す。)ない。 でも、なまえ、しってる。(思い浮かべたのはひとつの童話。時計をもった、あわてんぼうの白うさぎだ。)

近嵐隣 ♦ 2021/01/11(Mon) 23:43[35]

んえ?あ~!クローゼットの中じゃなくてお前だよ。白亜の髪見てシッロ!って思ってさ、一番最初デカい人形かもって思ったんだよな~。(すれ違った記憶をすり合わせるように言葉を重ねながらも、彼女の言う真っ白の理由にこちらが首を傾げた。考える素振りで天を仰げば薄曇りでも太陽の光は少し目を眩ませるから、「あ、眩しかった?」と白の理由に辿り着く。たどたどしい言葉が徐々に増え、率直でシンプルな言葉を繰り出すようになったのは一瞬の変化のようだから、ささやかな驚嘆と喜色に同時に襲われる。言葉の意味を具に理解している訳で無い身は、「褒めんのが上手いってこと!」とニュアンスの説明を添え、赤い瞳を見遣った。)ふ~ん…、見つかりやすいっつーのが嬉しかった?(綺麗だとか特徴的だとか珍しいだとか。彼女の容姿を形容するに足りる言葉ならきっといくらでもあるだろう。“見つけやすい”へ確かにと頷く心境はあれ、嬉しそうな様に素直な疑問符を浮かべた。台座の上でくるくる回る天使は照明に反射してきらめきを増やすよう。それを見つめる紅い双眸へと視線をずらせば彼女の目の内に確かに光は存在して、すっかり虜になっている様に呼気だけで笑った。)いいじゃん。欲しい?どれにする?(呪術高専生とは言えしがない三級呪術師、己の懐事情を心配する必要がないからこそ、買い物どころか物欲すら初めまして状態と思しき彼女の背中を押すのだって己の役目との自負があったから、他にも気になるものがあったなら、その曲名を読み上げたりもしただろう。)そっか。俺小学生んときに学校でうさぎ飼っててさ。そん中に白亜みたいなのいたんだよ。白くて赤い目してるやつ。(郷愁感じた理由に思い至れば、うさぎの毛並みでも撫でるみたいに頭においた手を滑らせた。)

乙無白亜 ♦ 2021/01/12(Tue) 01:21[36]

(白い。指摘されては自分の横髪を指先で掬ってみた。さらさらと指の隙間を零れていく細髪は忘れられない景色と同じ色をしている。知っていたことだけれど、人形と形容されればゆるりと首を傾いで。)かみ、しろいは、へん?(信徒のなかにも、生贄の少女のなかにも、「白」は少なかったかもしれないと思い至れば不思議そうに唇を開いた。拙い言葉であったにも関わらず奇跡的に彼に理解して貰えたなら、眩しいの言葉にはこくりと頷いて「てんしさま、むかえきた、思った」当時口にした言葉を再度、改めて音にする。白で憶い出されるのは、暗闇を祓ってくれた慕わしいてんしさまであるがゆえに。殺し文句は褒め上手であるということ、言葉の意味を結び付けてはまた少しだけ賢くなった心地で、不思議そうな声色を耳が拾う。その通りであると告げるよう、眸を指差したままに頷いてみせた。)うん。 これと、これ。どこいても、わかるいろ。だから、すぐ、みつけて、むかえくる、言ってた。(アルビノ特有の儚い色彩も、淡い色のなかいっとう彩を放つ紅玉も、群衆のなかにいてもそれなりに目立つ。眸、次いで自分の髪を指差しながら、囀るむすめの声には変わらず喜色が滲んでいる。どこに居ても見つけてもらえる、即ちそれは、もうひとりぼっちの真っ暗闇に戻らなくていいということだから、それがむすめには嬉しかった。だがそれを彼に伝えるには、やはり言葉足らず感は否めない。)……買う、いいの?(上にある彼のかおばせを仰いでは、問いに次いで頭を傾けた。これが「これを買いなさい」と渡されたリストに載っていないものであることくらい、学のないむすめにもわかったからだ。受動的に生きてきたがゆえの戸惑いもほんの少し。あたたかい手が頭を撫でてくれたなら、与えてくれるぬくもりを嬉しがるように双眸を伏せて。)となりは、うさぎ、すき?(そっと開いた紅玉を彼へと向けては、浮き上がった疑問を音にした。)

近嵐隣 ♦ 2021/01/13(Wed) 01:13[37]

あ、変って思ってるみてえに聞こえた?珍しいけど変じゃねえよ。(絹糸のような御髪へ視線を向けたまま、誤解させたとすれば己の物申しに問題があるとは百も承知ながら、掠りもしない思考だったからかろい謝罪すら持さずに否定を紡ぐ。綺麗なものは綺麗、可愛いものは可愛いと口にするに躊躇いはないものの、人の美醜に然程の興味はないのが本当のところだ。「五条さんも髪銀色っぽいしな」と、ともすれば彼女よりも希少かもしれない色が脳裏をよぎる。あっかんべーを仕掛けたようなポーズで静止した姿を前にして、己が言おうとしている内容に先んじて小さく笑った。)やべえじゃん。今てんしさまがそのへんいたら一発で見つかるっつーことだろ?もうちょい遊びたいし、やっぱ帽子被っとく?(冗談めかした物言いで、過日からコンティニューし続けている“あそぶ”の延長ボタンを押そう。お伺いでなく己の願望を押しながら、気まぐれに髪の一房を掬い上げるように手にとった。)真っ白い髪で真っ赤な目してる、白亜みてえなやつばっか集めてさ、そん中でもすぐにお前のこと見つけられるよっつー方が俺なら嬉しいけどど?(姿容が異色だからこその特別でなく、内実を含めた彼女自身が特別と扱われたっていい。保護者のお迎えに喜ぶ子どものような言い草が少し切なくて眉下げた。)いーよ。もし駄目でも怒られたっていいじゃん。(あっけらかんと言い放てば、彼女が所望するものをレジまで持っていくつもり。「次何見る?服?」なんて問い掛けも添えながら。)ぶっちゃけそんな覚えてねえけど、好きだよ。かわいいじゃん……って見たことねえのか。行く?今度。(犬猫ならともかく、うさぎへの遭遇率は正味低い。薄れかけた記憶の中の小動物と彼女を重ねて、至極気楽に提案を。)

乙無白亜〆 ♦ 2021/01/13(Wed) 22:33[38]

(自分の纏う色や容貌について考えたことはそんなにない。誰かに指摘された時だけ淡い御髪と鮮烈な眸子を気に掛けて、ほかのひとたちと比べてみることをした。そのなかでおんなじを見つけられなかったから、変なのかもしれない、と感じたことはこれまでにもきっとあったけれど、むすめも彼とおんなじでそういったことはあまり気にしない性質ゆえに「さとるの髪、おひさまあたる、きらきらするね」と話題はすぐに別のほうに流れていく。されど「見つかる」の一言が鼓膜を打った瞬、怯えるようにむすめの肩がぴくりと揺れた。自分で言った癖、そこまで考えが及んでいなかったというように。)……うん、かぶる、する。 もっと、となりといっしょ、いたい。(あと少しを強請るように彼の影に隠れるように身を寄せて、縋る指先がアウターの裾を掴む。大きな手が髪に触れたなら、掬い上げる動きに吊られるように彼を見上げた。困ったように下がる眉をみとめて、じっと考え込むような間を挟んだのち、ちいさな唇を薄く開く。じゃあ、)──となりは、みつける、できるの?(まっすぐな言葉で問う。無垢な眸が問う。そんなこと出来っこないって知っているといわんばかりに、温度のない音がまろび出た。この身がてんしさまにとってその他大勢であるように、彼もまたおんなじだと思っている。誰の特別にもなれるはずがない。でも、それでよかった。いいんだと思う。このしあわせな時間が続くなら、それで。)おこられる、したら、おしおき、ある?(怒られることよりもその後のお仕置きを恐れるように、そろそろと彼を見上げていた。されど欲しいものをちゃっかりを指差すあたりにむすめの神経の図太さが見て取れよう。次を問う音には「となり、の、ほしいもの。行く?」なんて首を傾げて伺いつつ、彼の好きを知りたいと思う心のままに頷いて。)うん。行く、したい。こんど。(今度の意がまだ理解が出来なかったから、彼の言葉をなぞるよう繰り返しては意思を示そう。店を出て再び歩き始めれば当たり前のように彼の大きな手に甘えつきたがって、輝く眸で彼を見上げた。)となり。 買いもの、たのしいね。(またひとつ、しあわせが増えた音がする。生活必需品を買い揃える為の外出は、あれはこれはとむすめが目移りしたこともあって中々スムーズにはいかなかっただろう。前途多難な買い物という名の冒険は、日が暮れ始める頃まで続いたはず。)

近嵐隣〆 ♦ 2021/01/14(Thu) 02:59[40]

(己と揃いの言葉が聞けるとすればもっと朗らかな声色を予想していた。追い詰められているような風采を慄然とイコールで結ぶことは出来なかったけれど、唇から笑い混じりの呼気が浮かぶ。)見つかりたくないんじゃん。 んじゃまずは帽子だな~。さっきのは余計目立つしさ。(嬉しいって言ったくせにと言わんばかりの指摘は、責めると言うより矛盾を見抜いた得意そうな声色だ。次なる目的を定めつつ、彼女の手を取ろうとした段で静かな声が耳朶を打った。感情を乗せた物言いに耳慣れてきた頃合いだったからこそ、抑揚のない声にパチッと瞠目し一人破顔する。)出来る。(即座の断言は却って信憑性を薄めるだろうか。対称的ににんまり口端を歪めた顔ばせのまま、慣れた調子で手を取った。)俺がさ、す~~~げえデカイ声で白亜!!っつって呼ぶだろ?お前に見つけられる気があんならすぐじゃんな。すぐじゃなくてもいーなら、片っ端から見てきゃゼッテー見つかんだろ。(話題に出した嬉しさと方向性がずれているのもお構いなし。堂々言い切った割に悪怯れず要協力作戦を提案し、例え話だろうが諦念とは無縁の負けず嫌いの顔をする。少しずつ感情を露わにしている様が見れるのを良いことに「あったらどうする?」なんて悪趣味な問いを投擲するのもそこそこに、購入したガラス細工はそっとリュックの中へしまうとしよう。)んはは!んじゃ今度な!俺約束はさ~、やっぱこういうのが好きだわ。楽しい約束が終わっても、また今度って出来る方がさ、嬉しいし寂しくないじゃん。(その身を担保にした約束でない楽しいに満ちた約束を結ぶさなか、手と手も結んで称呼に隣を見遣った。)だろ?(またしても己の手柄みたいに得意気に笑えば、品物がリュックの中に収まらなくなった頃に買い食いを提案したりもしただろう。単なる買い出しを敢えて引き伸ばしたがる振る舞いは瞬間の楽しいばかりが理由じゃない。だって、夜の帳が下りた後なら帽子もサングラスも必要ない。彼女が何にも縛られず自由に歩く、そんな姿が見たかった。)

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