阿閉託夢〆 ♦ 2021/01/31(Sun) 19:14[66]
情操教育をほどこされてる……そよぎちゃんの方がずっと大人じゃんね。何年かして、おれだけやっぱり恋愛がわかってなくて、そよぎちゃんに「恋愛ってこういうものだよ」って教えられる未来が見える……(実際、精神面では彼女の方がずっと大人だと素直に認めるに至ったのは、一緒に過ごす時間の中での事。そんな未来でも悪くはないのかもしれないと薄く笑った。「そよぎちゃんならなれるよ」とは本気の言葉だ。)……素直に甘えられない性格なので……、……甘えたくて呪詛師になってたら世話ないな。……ちゃんと言うようにする。――……(恋人ごっこか兄妹ごっこ。どちらにするかと言われれば、本気で悩みだしてしまう。「そよぎたくむ」になれるなら、どっちだっていい気もした。けれど、恋人と兄妹では大違いだ。――こんなふうにアクセサリーをプレゼントするのは、兄妹よりも恋人の方が近いだろうかと、彼女の反応を見ながら考えていた。)うん、ほんもの。似合う似合う。そよぎちゃんはもっと派手めなのが好みかなとも思ったんだけど、おれの好きなブランドで買いたくて。給料三ヶ月分――ほどではないけど、ちゃんと任務で稼いだお金で買いました。(言ってから、「……もっとちゃんとしたかっこで渡せばよかった」なんて呟きが漏れる。ここの所、まともに顔を合わせられていなかったものだから、トレーナーにジャージなんていう格好つかない服装で渡す事になってしまった。けれど、)――でしょ? おれのピアスと、そよぎちゃんのブレスレットと、おんなじデザイナーが作った、おんなじブランドのアクセサリー。離れてても一緒。(自分の思いを彼女がくみとってくれたなら、そんなに嬉しい事はない。ひょんな事でできた彼女との縁だけれど、これから離れ離れになって、別々の生活を歩む事になるのだろう。自分を常にそばに感じていてほしい――なんて、きっとわがままだ。彼女が、愛のある普通の幸せな生活を送れるようになって、不要になるならばそれでもいい。それまでは、支えになりたい。――いつの間にか食べ終わってしまったチーズケーキを「もっと食べる」とおかわりしよう。またいつか、こんなのんびりした時間を共に過ごせたらいい。)