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【2A】(Hope for the best, but prepare for the worst.)

阿閉託夢 ♦ 2021/01/03(Sun) 07:34[17]

(ブッシュドノエルとシャンメリーを買った。テレビでお笑い番組を流しながら、ふたりでそれを飲んで食べたのは呪術高専の寮、自分の部屋での事。――それから数日後。高専に連れ帰った“お姫さま”は、人違いだと五条悟に爆笑される事はなかったけれど。その代わり、任務が終わる事もなかった。肩透かしをくらったような、安堵したような気分だった。だって、彼女と一緒に、普通の幸せな時間を過ごすと約束した。その約束を果たすまでは、はいこれで終わり、とはいかなかった。命じられたのは、あくまでも護衛だ。でも、それを忘れそうになってしまう事は責められないと思う。今日だって、護衛とは言いつつ実際は買い物のつきそいだ。)……こーゆーふうに気をゆるめてると……痛い目みるのかな……こわ。これは任務、任務……(自分に言い聞かせるように呟いて、部屋の扉を開ける。目指すは廊下の先にある、彼女にあてがわれた部屋だ。扉の前にたどりつけば、こんこん、と小さくノックをした。)……そーよーぎーちゃん。アトジです。(身にまとうのは、あの日と同じ高専の制服。けれど、今日はその上にキャメルのダッフルコートを着て、グレーのマフラーを巻いていた。それに、肩にバンドを掛けて、長方形の楽器のケースのようなものを背負っている。中には、あの日、腰に下げていた九鈎刀。街に出歩くというのに、刃物を剥き出しで持つわけにはいかない。――これを背負っていると、これが任務なのだという自覚を持てる。これは彼女に普通で幸せな日常を過ごしてもらうという約束を果たしているのと同時に、任務なのだと。)……準備、できた? 買いたいもの、決まってる?(彼女が姿を見せてくれたなら、なんの感情も浮かんでいない顔で、首を傾げよう。)

梵一期 ♦ 2021/01/03(Sun) 20:16[18]

(聖なる夜、星のきらめく空を駆けた。淀んでいた空気はいつしか澄み渡って、降り注ぐ星たちを捕まえられそうな気さえした。甘いクリームを甘い炭酸で流し込んだり、さっぱり見慣れない芸人のネタにゲラゲラ笑い転たり。夢中になって治安の悪いマンガを読み進めるうちに意識を手放すような、楽しい夜。懐かしい夢をみた。それからの日々は目まぐるしく過ぎてゆく。流行り廃りを耳にしていたつもりでも、随分と移り変わった世界に置いてかれたような不安は、同じく救い出された少女たちの存在によって幾らかまぎれたか。出掛ける支度をしている最中、鼻歌を鳴らすくらい外へ出てからは陽気な心持ちでいる。長い髪を残さず高く一本にくくり上げた頃、やって来た訪問者に跳ねるように立ち上がるとくるりと回ってポニーテールを揺らした。)アトジくん! みてみて、アリアナ・グランデみたい?(オーバーサイズのパーカーの上からダボダボのダウンコートを羽織って、あとはニーハイブーツを履けば完璧だ。増えた娯楽の中から特にお気に入りの一曲を拙い英語で紡ぐ口を止めて、首を振って未定を告げた。)必要なものって言われると、結構むずかしくない? 服と化粧品と、んー…おやつ? あ、おっきいショッピングモールなら買い物も出来るしUFOキャッチャーとかもあるよね。(ありがたいことに不自由ない生活は出来ているので、本日の買い物は謂わば贅沢だ。遊びに出る感覚で大きな商業施設を希望すればきっと一石二鳥。道すがらなにか思いつくかもしれないし。そうして出発を促して歩ゆみ始める時、彼の背負うケースをノックノック。)楽器やるの?

阿閉託夢 ♦ 2021/01/04(Mon) 03:44[19]

(クリスマスが終われば、翌日、さっそくとばかりにお気に入りのマンガをどっさりと彼女に押しつけて。自分の部屋に呼んで、ゲームをする事もあっただろう。まるであの奪還劇が夢の中の出来事のように、普段は呪霊を殺している事など嘘のように思える数日間だった。――彼女の姿を見てその言葉を聞けば、うんうん、と頷いて。)アリアナ・グランデみたいだし、ミランダ・カーみたい。かわいい。……そよぎちゃん、14歳でその身長なら、これからもっと伸びそう。……将来はモデル? 女優?(まさか自分の背を抜かれはしまい、などと思いながら、お世辞にも冗談にも聞こえぬ声音で尋ねた。窓から差し込む陽刻を浴びながら、外に向けて歩く。穏やかで、のんびりした、普通の日常としか言えない時間だった。)女の子の必要なものは、おれにはわかんない……ていうか、女子と出かけたこととかない……あ、暇つぶしの道具もいるんじゃない? 雑誌でもゲームでも、なんでもいいけど。パソコンとモバイルルータ買ってきて、ネットもできるようにするか。(男子と女子では、暇潰しの方法も違うのだろうか。わからない、と悩んでいた時、背中のケースをノックされれば、となりの彼女に視線を向けて。)――ああ、これは。あの夜に持ってた、曲刀。剥き出しで持ってたら、さすがに警察に捕まるから……これ、高いんだ。呪力がこもってる特別な武器で、高専から借りてんの。一億くらいはするって脅されてる。おもしろい術式が込められてるから、ひまなとき、見る?(あの夜は、普通に刀として使っただけで、呪具として込められている術式は見せていない。「一億ってやばいよね……」なんてぼやきながら正門から外に出れば、補助監督の運転する車が停まっている。後部座席のドアを開けて、「どーぞ」と促そう。彼女が乗れば、自分もその後からとなりに乗り込んで。)……最寄り駅まで車で行って電車とバス乗り継ぐのと、目的地まで車で行くの、どっちがいい?

梵一期 ♦ 2021/01/04(Mon) 17:16[20]

ミランダ・カー!!(まあるく瞠った瞳が喜びを湛えてきらめいた。世界的なモデルにたとえてもらえたことも、シンプルな賛辞も求めたくせに照れくさい。ほんのり染まった頬を両の手で包んで、えへへ。)ありがとっ。まだ伸びるかな? 将来の夢もこれから………アトジくん、結構おっきいな。(そう言いながら爪先立ちをしてみても到底追い越せない。頭の天辺に乗せた手を水平に動かした目測に拠れば、これだけ足を震わせて漸くつむじが瞳の高さに届くくらいか。不服そうに片頬を膨らませる。それもすぐにぶぅ、と萎めたけれど。)パソコン使ってみたい! スマホ――は、いいや。連絡取るひといないし、アトジくんには会いに行ったほうが早そうだし。(禁止されていたものほど触れてみたい。名案とばかりに声が弾むけれど、自ら発したスマホについてはあっさり撤回。興味はすっかりケースのほうに移ろった。そう、ならざるを得なかった。)い……ち、おく…。(軽い気持ちで一億にノックなんてしてしまった。慄く指先を擦りながらひくりと頬を引きつらせて。)ほんとに? 大事に使うように一億とか言われてるだけじゃなくて? その術式は絶対みたいけど一億のインパクトでかすぎだ……。(ちょんちょんとケースを突いては己の指先を凝視する、車を眼前にするまで幾度となく繰り返したことだろう。開かれたドアによってぱちくり瞬く瞳が漸く一億を吹き飛ばす。)女子と出掛けたことないって言ってたのにこういうの慣れてる?(ありがとうのお礼と共にひょいと乗り込めば、次いだ問いに考える素振り。)電車とバスがいいな、ずっと乗ってなかったし。アトジくんは車の運転も出来る?(免許の有無でなく運転と尋ねたのは、つまるところそういうことだ。)

阿閉託夢 ♦ 2021/01/05(Tue) 02:11[21]

きっとアリアナ・グランデよりも、ミランダ・カーよりも美女になる。……おれは大人です。(あの夜、「悪い子」と言われた事をひっそりと根に持っていた。おっきい、との言葉に鷹揚に頷いてみせるけれど、笑うよう呼気をこぼして、「そよぎちゃんも伸びるよ」と添えるのだった。)……スマホ、いいの。おれも高専のやつらしか知り合いいないけど……寝れない夜とかLINEするの、楽しい。音出るやつ送って、怒られたり。ゲームもいろいろあるし。(けれど、彼女が言う通り、眠れない夜は顔を見た方がいいのかもしれない。でもやっぱり年頃の女子にスマホは必須なんじゃないだろうかと悩んで、「……ほんとにいいの」と顔を見て首を傾げた。)……うん、一億。ほんと。もっと高くてやばいのもある。五億とか、十億とか。……おれの術式は弱いし、体も鍛えてないから、この「叡傑」だより。……こう見えて、実は劣等生なんだ、おれ。(一級呪具、「叡傑」。ケースを背負い直しながら、内緒だけど、というように口にする。尤も、劣等生である事は今までのやる気のない様子からとっくに察せられているかもしれないけれど。)……マンガと映画で得た知識。(エスコートに関しては照れも拗ねもせずに言って、ケースは膝の上に。運転してくれる補助監督に「最寄まで」と告げて、座席に背中を預けた。)じゃあ、電車とバスで、立川のららぽーとにれっつごー。立川にはルミネも伊勢丹も高島屋もある。映画館も。(我が事を誇るように言いながら、電車やバスに乗って買い物へ行く事も、“普通”の“幸せ”のひとつだろうか、なんて考えていた。彼女から問いが飛んでくれば、ゆっくりと顔をとなりへと向けて。)……運転したことはないけど……いける。たぶん。おれ、マリオカート超強いから。マリオカートなら特級レベル。

梵一期 ♦ 2021/01/05(Tue) 23:39[22]

(満更でもなく照れ照れと体躯を捩っていれば、“大人”だなんて一期にとっては当たり前の宣言を耳にする。些末な発言が尾を引いているとは露知らず、きょとんと不思議そうに小首を傾いだ。「うん?」なんて迷いの滲んだ疑問符まで浮いて。それがまた随分と魅力的な色を孕んだ使用方法にまで干渉してきた。うんうんと唸る声に合わせて右へ左へ頭が揺れる。はたと止めるのは、悪戯な笑みと共に)寝れない夜はアトジくんのベッドにもぐりこみにいくもーん。(否を示そう。冗談めかしたところで、オーケーが出るのであれば甘える気満々の笑みがパッと輝いた。)桁がおっきすぎてもう意味分かんないな。それにアトジくんはなんちゃって劣等生でしょ? やれば出来る子だ!(ツッコミを入れるように伸びた手は彼の肩をぱしっと叩きにいくだろう。)えーっ!? ゲームと現実は別だよ、たしかにあたしが一度も勝てないくらいアトジくんはゲームうまいけどさあ。帰ったらあたしが勝つまで寝れないマリカー対決しようね!(それは単に一期が下手なだけかもしれなかったけれど、無謀な勝負と条件を提示する負けず嫌いが拳を握った。そうして車中では窓から物珍しそうに外を眺めたのも束の間、結局は彼のほうばかりを向いて、あれがしたいこれがしたいと尽きぬ願望を口にして。電車ではポッケの中で切符をこねくり回し、バスではボタンを押したがって、時にはしりとりのような簡単な遊びにも興じたかもしれない。降り立った目的地は想像より遥かに、)ひろーーーい!(ぴょんと跳び上がると堪らず駆け出した。出入り口で振り返ると、早く早くと言わんばかりの高速手招きをお見舞い。)最初はやっぱ服からかな? アトジくん、あたしに似合いそうなの選んでよっ。(ワクワクとドキドキとトキメキが一気に溢れて、ららぽーとは一期にとっての遊園地と言っても過言ではないはしゃぎっぷりだ。)

阿閉託夢 ♦ 2021/01/06(Wed) 04:26[23]

……夜這い? おれ、襲われる?(彼女の発言に、無表情でデリカシーのない発現をぼそっと。スマホに関しては、「欲しくなったらいつでも言って」ということにしておいて。)……「悪い子」から「やればできる子」にランクアップした……呪術師にも等級があるっていうのは聞いた? おれは最低ランクの四級。五条先生は三人しかいない特級のうちのひとり。天と地……太陽と地下帝国みたいな差があってさ。……あ、でもなんかあったら、ちゃんと守るから。(肩を叩かれながら、ひょっとしたら精神年齢は彼女の方が大人なのでは、なんて思ってしまう。三年になっても四級の正真正銘の劣等生だと言いながら、はたと彼女の方を見て、安心して、と言うように頷いた。「……頼りないかもだけど」とは付け足すけれど。)マリカーでは負け知らずのおれに勝負を挑むとは、命知らずめ……いいよ、朝までやろう。いや、一日じゃ終わんないかも?(呪術師としては万年四級でも、ゲームには自信満々だった。わずかに口角の片側を上げて、「じゃあ勝負のお供のお菓子も買ってこう」なんて発言から、楽しみにしている事が窺えるだろう。――電車やバスの中では、車の中と変わらずのんびりしていて。しりとりには「る」で終わる単語ばかりで返すなんて意地悪もしながら、はしゃぐ彼女を見る表情は微笑まし気だった。そうして目的地に到着すれば、手招きに従って、小走りに彼女のとなりに並ぶ。)えー……ファッション雑誌は読むけど、男向けのだし……レディスの流行りとかわかんないし……どんなの選んでも怒んない? かわいい系とか、大人っぽい系とか、こんなのが着てみたいとか、希望は?(面倒くさがっているようにも聞こえるような事を言いながら、さっそく足はレディスファッションが並ぶフロアへ。並ぶ服を見る目は真剣で、「レディスの冬服って見甲斐があるな……」なんて呟いていた。)

梵一期 ♦ 2021/01/06(Wed) 19:47[24]

(ぷはっと吹き出すと、開いた指先を折り曲げてありもしない牙を見せるように鳴く。がお! 眠れない夜でもないのに襲い掛からんとする姿勢はじゃれつく獣だった。それから、)うん。おんなじ階級の呪霊を祓いにいくって。最低ランクでもバットが必要なくらいの相手してるんでしょ? それがまず強いじゃんって思うし、あたしにとっては見えないものだから頼もしさしかないんだけど。だけどもし、あたしが危険になったら……ふふ、一級に飛び級できちゃうよ。火事場の馬鹿力!(やれば出来ると言ったくらいだ、本来の実力は四級以上だとは見込んでいる。それ以前に今日を初め私生活でこれだけ頼り切っているにも関わらず、戦闘に於いて頼りなさを感じるはずないだろうとへそを曲げるけれど、冗談めかした本心で塗替えてしまおう。そうしてご機嫌に細めた双眸は、一日経ってもゲームの勝利は掴ませない彼の自信によって釣り上がる。むきー! なんて音には出ないまでも、これがマンガなら効果音として頭上辺りに浮いたことだろう。――さて。具体的なビジョンのない頭はマネキンを眺めて想像を膨らませる。)流行ってても似合わなきゃ意味ないからいーの。かわいい系のはあんま着たことないかも。フリフリなのもだけど、清楚な感じのも。こういうのとか、んー……似合う気しないなあ。(ついこの間読んだ雑誌で量産型と特集されていたそれにカテゴライズされそうなワンピースの裾を摘んで苦笑。Xでは求められる貞淑さに反発するようにルーズなシルエットを選んで、季節問わずショートパンツやミニスカートから脚を曝け出していた。単にそういうのが好みでもあったのだが。今度はロングタイトスカートを手に取って合わせてみる。似合う似合わない以前に、見慣れないことが可笑しくなった。)あは、なんか変な感じ~。

阿閉託夢 ♦ 2021/01/07(Thu) 21:24[25]

襲われたら返り討ちに……、……いや、なんでもない。(夜這いを返り討ちとは? なんて考えてしまって、かぶりを振った。続く彼女の言葉には頷いて、)基本的にはね。術師はいっこ上の等級の呪霊も祓える……ことになってる。だからおれなら三級の呪霊は祓えるけど、……二級以上が来たらどうするかなあ……そよぎちゃんの期待に応えられるように、がんばってはみる……(茫洋とした目で言いながら、触れるのは呪具の入ったケースではなく、コートのウェストのあたり。その下、制服の裏側には、術式の発動時に使用する針が常に仕込まれていた。――できるだけ「叡傑」頼りでなんとかしよう、なんて思いながら、さて今夜は何時までゲームをする事になるのだろうかと呑気に彼女の様子を眺めていて。――レディスアパレルの店に足を踏み入れれば、マネキンの足元に立てかけられていた、その服が掲載されている雑誌を何気なく手にとって、真剣な目でページをめくる。しばらくしてから顔を上げ、)……あ、ごめん、聞いてなかった。……流行りは大事。流行りをさりげなく、自然に取り入れてると、すごくかっこいい、と、おれは思う。(なんて、力強く持論を展開する。彼女が持っているロングタイトスカートには、)そういうのも似合うと思うけど、もうちょっと、こう……おれが全身コーディネートしてみていい? さっき雑誌みて、いまのトレンドはだいたいわかった。えーと、まずはスカート……大丈夫、お金は高専から出るから。(なんて、スカートが並ぶ一角を目指してすたすたと歩きだしてしまう。自信がないような事を言っておきながら、すっかりやる気に火がついてしまったようであった。)

梵一期 ♦ 2021/01/08(Fri) 00:34[26]

うそお、そんなに夢中になってたの?(なにやら集中した様子を感じとってはいたけれど。話を聞いていなかったなんて。怒るか拗ねるか、そういった負の感情を引きずり出してくるようなことのはずなのに。彼を相手にすると呆れが勝ってしまうらしい。毒気を抜かれたともいえるが、そもそもこのゆるいオーラを前に攻撃的な感情などもう沸くこともないのかもしれない。スカートを戻した手が置かれた雑誌をぱらぱらめくる。流し見したくらいじゃ頭に入ってなんかこなかった。)そう言われると、そんな気がしてくるかも? じゃあアトジくんの私服もかっこいい?(真逆の雰囲気の印象が強いこともあり、力説されると簡単に同調を示してしまう。そして、この会話を以て漸く彼が制服であることに気が付いた。いいや、気付いてはいた。気にしていなかったとするほうが正しいか。キャメルの裾を摘み上げる指は、)どうして制服なの?(素直に疑問を落としてすぐに離された。)お金出してくれるならあたしがアトジくんの服も欲しいって言ったら買ってもらえるのかな。トレンドとか、特に男のひとのは分かんないけど選びっこしようよっ。この間お昼にテレビでそういうの見たよ。(これが任務の一環であるなんて知りもしないくちびるが、モデルが選んだコーディネートで対決するバラエティ番組を真似ようと声を弾ませる。ひとり歩み始めた背をご機嫌に追いかけて、これまた楽しげにもう一声。)今日選んでくれたやつ、今この場で着替えちゃうからね!(せっかくの全身コーディネートを持ち帰るなんてもったいない。ふふふ、と歌うように笑声を溢しながら、いよいよ背を押して急かしかねない勢いだ。そうしてあっという間にやって来た一角にて、タイトミニを手に取ると)あたしこういうのがすきよ。自分でならこれを選んでたけど、………アトジくんはどれにしてくれるの?

阿閉託夢 ♦ 2021/01/08(Fri) 19:45[27]

女の子の向けのファッション雑誌、初めて見たけどおもしろい。……あとで本屋寄って、雑誌も買ってこう。(男性向け雑誌との違いにも、女子の服をコーディネートするのにも、興味が湧いた様子。彼女のためという名目で購入して、女性向け雑誌を研究したいという魂胆はバレバレだろうか。「……いや、女装したいとかではなく」と、一応言っておこう。自分の私服に話が及べば、)……カッコいい服を……買ってる……つもり。あんまりたくさんは買わないで、いいものを長く着てる。ビンテージのデニムとか、いい革ジャンとか。で、小物で流行りを取り入れる。……今日は、ほら……そよぎちゃんと一緒だから。街中にも呪霊ってうようよいるし……戦わなくちゃならなくなったとき、制服のが動きやすいっぽい、みたいな……(もちろん、これが任務だという理由もある。けれど、下手な言い訳のように口にする言葉は、嘘というわけではない。休日に出かける時は、普段ならば私服だ。そして、もちろん呪霊を見かけても完全無視、私服イコール完全オフだった。ただし、今日は彼女と一緒。イクス関係者でなくとも、危害を加えてきそうな呪霊がいれば祓うつもりだ。)女の子に服選んでもらうとか、…………(初めてだし、照れくさい。でも、彼女がせっかく選んでくれるのだ、私服に着替えて、それでも気は抜かないという事にしよう。「……楽しみにしてる」とぼそっと低い声で呟いた。)……若いし、足きれいだからそーゆーのもいいけど……こーゆーのもかわいいし、似合う……と、思う。(手にとったのは、薄いピンク色の、裾がひらひらと揺れるマーメイドラインのロングスカート。さらに、)トップスはこんな感じでシンプルにして、前だけイン。あと、コートはこれ。(次々と手にしてゆくのは、ふんわりした白のタートルネックニットと、ダークブラウンのロング丈ポンチョ。どれも今季のトレンドだ。店員に「試着お願いします」と声をかけて、両手に抱えた服を、はい、とまとめて手渡そう。)

梵一期 ♦ 2021/01/09(Sat) 00:03[28]

(物言いたげにじとりと細めた双眸を向ける。着たいの? と茶化す目論見に先手を打った否定に対する不満も合わせたポーズだ。笑声と共にころりと態度を軟化させるまで早い。意外と探究心が強い、初めに抱いた印象がこうして塗り替えられていく瞬間が好きだ。)なるほど? なんかそういうの、オトナって感じだ。高いのとかお気に入りのが戦って汚れたりしたらショックだもんね、分かる分かる。(動きやすいという一点だけでも納得したけれど、嗜好を知れば尚更大きく頷いた。それから、「ここにもあのかわいいのいる?」なんて宙を見上げて蠅頭を探す素振りも。もしかしたら一期が気付いていないだけで、彼は簡単な仕事をこなしていたかもしれない。)………、――ふふ、期待してていいよ。(空いた間を不安がって下がる眉が、けれど小さな声を拾って全く別の意味合いに染まる。ハードルを上げたなんて気にもせず、鰻登りの機嫌、今日はきっと上限なしだ。)わあ! オトナっぽ! かわいい! 清楚!(興奮気味に告げる感想が、思い浮かんだままくちびるからまろび出た。両の手に抱えて試着室へ入る足は飛び跳ねんばかりの浮かれっぷり。逸る気持ちが着替えを急がせて、閉まったカーテンが開かれるのも早かったろう。)どう? ちゃんと着れてるかな、似合う?(思いつく限りのモデルポーズを決める顔ばせはクールな表情なんて程遠い満面の笑みで。肯定を得られればすぐ傍で控えている店員に購入と着ていくことを告げようか。さて、次は彼の番。)

阿閉託夢 ♦ 2021/01/09(Sat) 04:18[29]

……ひとりっこだったから、……妹がいたらこんな感じかなって。楽しい。(レディスファッションに興味を持った事の言い訳のような言葉を重ねるけれど、決して苦し紛れで言っているわけでもなく。相変わらずの無表情だけれど、実感を込めるよう、深く頷いた。)呪術高専は、学生でも任務をこなせば給料が出るんだ。だから、高い服も買える。……あー……マルジェラの白い革ジャン持ってるんだけど、あれ、そよぎちゃんに似合いそうだな……でもおれのじゃさすがにサイズでかいよな……(クローゼットの中の自分の服を思い出しながら、ふと口にする。オーバーサイズの革ジャンというのはどうなのだろう、なんて考え込んでいたら、彼女から「かわいいの」と言われ、少しして蝿頭だと思い当たった。)こういうとこにはあんまりいない。……例えば学校なら、いじめとか、嫌な思い出、恥ずかしい思い出、そういうのをひとが反芻することによって呪いが溜まるんだけど……ショッピングモールにそこまで思い入れ持ってるひとは、たぶん? いないから。…………、(イクスはどうだった? そう言いかけて、しかし口を噤んだ。あれだけの呪いに満ちていた理由は気になるけれど、今は彼女に日常を楽しんでもらうことを優先したかった。――そうして、彼女が試着室から出てくれば、)……おー……似合う。超似合う。超かわいい。最高。いますぐモデルになれる。……おれの選んだ服が超似合ってるって、なんか不思議な気分。(目を瞬かせて、ぱちぱちと拍手を贈ろう。「写真……」と言いかけて、このまま着ていくのだから後でいいか、と出しかけたスマホをしまう。試着前に着ていた服はショップバッグに入れてもらって、高専からのお金で会計をして。わかりづらいけれど、表情は普段の気だるげなものよりも明るかった。)……そよぎちゃんはおれにどんなコーディネートをしてくれるのでしょーか。

梵一期 ♦ 2021/01/09(Sat) 16:22[30]

おにーちゃん、て呼ぼうか? あたしもきょうだいいないから、そういうふうに思ってたよ。(冗談めいた声で疑問符を浮かべてから、真剣な色へ変わる。友達というには甘え過ぎていて、保護者にしてはフランク、男女の仲なんて色気もなければ、しっくりくるのは兄妹か。)あたしもバイトとか出来たらなー……似合うかどうかは着て確かめてみようよ。アトジくんもあたしの服着てみる?(ぱちん、ひらめいたとばかりに合わせた両の手が鳴る。いじり損ねた女装を引っ張り出して楽しげに笑った。それから、蠅頭がいないことを残念がって肩を竦める。いくら可愛くとも呪霊である以上いないに越したことないのだけど――。)めちゃ褒めるじゃんっ。これ、勝負服にするから! ありがとう!(ふにゃりと眦を綻ばせて早くも一番のお気に入りとなったことを宣言しよう。ひらひら舞うスカートと共にポンチョも揺らして、メンズブランドへスキップ。あれこれ目移りしながらも、まず手に取ったのは光沢あるブラックレザーのパーカー。己の好みに寄っているのは明白だろうか、「これセットアップだ!」なんて声を上げるとジョガーパンツも即決して彼へパス。お次はライトブラウンのスタンドカラーロングコート。背にプリントされたバーコードに「かわいい!」の感想を添えて差し出した。あとは――)あ、靴も!(なんだか色味がシックで物足りないと感じたものだから、側面が白黒の市松模様になったオレンジのハイカットスニーカーを片手に。)どう? ぜんぶいいと思ったやつだけど、ださくないかな……。(ひとつひとつを選ぶのは簡単だ、けれどコーディネートとしてみると不安を覚える。そろりと伺う視線は期待も綯い交ぜになって、どきどきと胸を震わせた。)

阿閉託夢 ♦ 2021/01/10(Sun) 03:40[31]

…………それは、なんか……なんていうか……(「おにーちゃん」呼び。照れくさいのと、恥ずかしいのと、そのほか様々な感情がないまぜになって。自らが「妹」と言ったくせ、彼女との関係性を固定したくない気持ちもあるかもしれない。「……『アトジくん』のままでいい」と、かぶりを振った。)……できるよ。中学を卒業して、高校生になったら、なんでも。バイトも、部活も、恋愛も。……でも、高校生活はバイトなんかしないで、青春を謳歌してもらいたい……けど、バイトも青春のうち……? やってみたいバイトとか、ある?(自分は呪術高専の生徒だから、アルバイトとは無縁だ。一方、彼女は、つい最近までイクスに監禁されていて。勉強に部活に恋愛に、お金の事なんか気にせずに楽しんでもらいたい、というのは、保護者、つまりは兄のような気持ちなのだろうか。自分でも自分の気持ちを図りかねて、「……やるなら安全なバイトで」なんて、結局、保護者のような小言を口にしてしまうのだった。)……おれはおれの服をそよぎちゃんに着せるけど、そよぎちゃんの服をおれは着ません。(と、きっぱりとした口調で言っておこう。メンズ服を女の子が着るのは有りだけれど、その逆は絶対になしだ。口を引き結んでしかつめらしい表情でいたけれど、彼女の反応を見ればふっと表情が緩んだ。)ほんとに似合ってる。すごくかわいい。……勝負って、なんの勝負?(なんて尋ねる顔は、僅かだけれど笑みの色が滲んでいた。――メンズブランドのショップへ移動すれば、普段は自分でじっくり吟味するのだけれど、今日は任せようと黙っていて。彼女が選んだ服を受け取って、「……着てくる」と、試着室へ。しばらくしてカーテンを開けると、彼女のコーディネートを全身にまとった姿で現れた。)……なんか、K-POPのアイドルっぽい……分不相応な気が……する……(と口にする表情は、自信がなさそうな。誰かに服を選んでもらうなんて初めてだったから、似合っているのかいないのか、まったくわからなかった。どう? と窺うように向ける視線は、歳の差なんてどこへいったのか、不安がっている子供のようなものだった。)

梵一期 ♦ 2021/01/10(Sun) 19:01[32]

(さして残念がる素振りもなくあっさりと「そう?」なんて引き下がるあたり、冗談の粋を出ていなかったのかもしれない。すぐにまたひとつ増えたやりたいことへ思考を囚われる。それこそ無数に浮かんでくるけれど、)制服がかわいいとこがいいな~、カフェとか。でもごはん屋さんなら料理が食べられたりするかな。カラオケとかボーリングも休憩時間に遊べそう!(指折り数えながら、結局、労働より遊興に重きを置くおこちゃまさ。けれど彼の言う安全なラインはクリア出来ているだろう。)えーーーっ! ユニセックスのならアトジくんでも着れるのに。(初めこそそうしても、面白がってレディースものを着せたがるのを見透かされているだろうか。不満げな声を上げたことこそ、いたずら失敗を確信したからだ。むっと片頬を膨らませて、眉も寄せて、拗ねた面持ちとは正反対の、幸福感溢れる笑みが上機嫌に「気合いを入れたくなるときは全部勝負!」と高らかに宣言した。)いいじゃんいいじゃん、いいじゃん! かっこいいよ!(試着室から姿を現すと同時、むしろ食い気味なくらいで飛び跳ねんばかりの絶賛を繰り出した。つい庇護欲を煽られて、よしよしと撫ぜたくなる手のひらは、叶うならば彼の手を取って見えやすいよう導こう。それから、360度くるりと見て回って満足気に店員にまで同意を求めるだろう。)あたしも自分じゃ選べない感じにしてもらったし、アトジくんも、おそろい? お互い様? だね。気に入ってくれた?(にっこり。三日月に細められた双眸、弧を描くくちびるから白い歯が覗く。いいと思ったものを、好きなひとが身につけたら、それは最高以外のなにものでもなかった。)これでプリ撮りにいこーっ!

阿閉託夢 ♦ 2021/01/11(Mon) 05:27[33]

(「おにーちゃん」と呼ばれて喜ぶのは特殊な性癖ではなかろうか、なんて真剣な顔で考え込むけれど、彼女の興味が別の事に移り変われば、煩悩を振り払うかのようにかぶりを振ろう。)遊べる……か……? カフェとかご飯やさん系なら、まかないは出ると思う。……でも、そっか。バイトでかわいい服着たいっていうのも、青春か。……そよぎちゃんがバイト始めたら、遊びにいく。(彼女が高校に入って、アルバイトを始める頃、自分がどうしているかわからない。その頃まで、交友が続いているかもわからない。――けれど、言葉にする事で、叶うような気がした。一瞬、未来を幻視したような気がして、口角が僅かに上がる。)……仮にユニセックスな服だとしても、そよぎちゃんのサイズじゃおれが着れないでしょ。……代わりにさ、そよぎちゃんがファッションショーして見せてよ。いろんなの買ってって、それ、ぜんぶ着てみせて。(そんな代案を口にしよう。先ほどは自分がコーディネートしたけれど、あれだけでは足りないし、時間の許す限り、服だけでなく、いろんなものをたくさん買うつもりだ。彼女の言葉に、「……おれも任務のときは勝負服着たほうがいい?」なんて首を傾げて。)……かっ……こい、い……かな……こういうタイプの服はあんま着ないけど……そよぎちゃんがそう言うなら、カッコイイ、と、思うことに、……する。(彼女に手を取られながら、鏡を見たり、自分の目で見下ろしてみたり。今までに着た事のないタイプの服だから、やっぱり自信はないけれど。「……ありがと」と、選んでくれた事と褒めてくれた事にお礼を言って、着たままで会計を済ませよう。)……自分で選んでると、同じような服ばっかになるから。……新鮮な気分。……背筋が伸びる感じ……? うん、おそろい。(照れくさいし自信もなかったけれど、彼女からの問いには、こっくりと頷こう。ショップバッグを手に店舗から出たなら、)……ぷり……くら……撮ったことない、けど……がんばる……(ゲームコーナーへ向かって、機種選びは彼女に任せよう。100円玉を入れるところまではわかったけれど、その後に何をしていいかはまったくわからず。)……プリクラってどうやって撮るの……(これでは「おにーちゃん」ではなくて弟だな、なんて情けなく思いながら、彼女に頼る事に。)

梵一期 ♦ 2021/01/11(Mon) 18:50[34]

アトジくんが来てくれるんならやっぱ制服かわいいとこじゃなきゃだ。約束だよ、来なかったら――よばい、夜這いするから!(意味を知ってか知らずか、軽口を叩いて再び獣が爪を立てる仕草を向けた。鳴き声は笑み取って代わる、だって彼の顔ばせに小さな笑みを見つけたから。)アトジくんそんなに大きいかなあ? ……おおきい、大きい、かも…。(背丈の高さは出発前に思い知ったけれど。一歩二歩、と後ずさって眇めた瞳が客観視を試みる。ぽつりと落とした声は悔しくて苦し紛れに断定を避けた。しかし代案を受ければ一転、)研究の成果が発揮されちゃうね。(ご機嫌に鼻を鳴らす。それもすぐに彼のゆるい問いによって朗らかな笑声に変わるのだけれど。肯定も否定もせず、ただ笑って、少しだけ次の任務へ期待を寄せた。なにを着ていったの、と問う日は近いのだろうか。Xに関わる任務であるかもしれない可能性など、微塵も頭にない。)……それってあたしが言わなきゃかっこいいと思わなかったってことお?(揚げ足を取ってむくれて見せるのはちょっとしたいじわるだ。座った双眸と、握った拳。とん、と軽く腹部に当ててやろうと繰り出したパンチは簡単に避けられる、貧弱さを体現するそれ。「もっと自信持ってよ」と添えた声色は呆れと似て非なる、もっとあたたかなもの。)がんばるってなにをだろ、キメ顔?(なんてすっとぼけながら、新たな心持ちで踏み出す足は目的地まで一直線。一期もプリクラは初めての経験ではあったが、こういうときは)適当でいいんじゃない?(お気楽な性分が幸いする。言葉通りそれっぽい設定や背景をなんとなくで選択して、彼にくっつくように距離を詰めた。ピースしたり、ハートを作ったり、都度同じポーズをねだった出来上がりは――?)

阿閉託夢 ♦ 2021/01/13(Wed) 06:34[35]

そよぎちゃんのバイト先が、メイド喫茶でも、Hootersでも……行きます。…………っ、(夜這い、の言葉にぶっと吹き出す。14歳の女の子相手にそんな単語を出すものではなかったと後悔しても、時すでに遅し。悩んだ末、「……夜這いするなら、おれのとこだけにしときなね」と、苦し紛れに口にした。)おれの背はまだ伸びてる途中です。……少なくとも、そよぎちゃんを抱えられるくらいには大きい。……けど、そよぎちゃんも成長期だし、そのうち170超えたりするかな。(モデルのような長身になって、ランウェイを華々しく歩く未来の彼女の姿を想像してしまった。「……もうちょっと鍛えるか」なんて呟いたのは、未来でも彼女を抱えられるように。今まで鍛錬をサボってきた、己の手を握ったり開いたりしていた。――さて、次の任務には私服で行ってみようか。けれど、ビンテージのデニムや高価な革ジャンを汚したくない。安価な服を買えばいいのかと思うも、それでは“勝負服”にならない気がする。ぐるぐると悩んだ末、)……任務用の勝負服も、そよぎちゃん、選んで……汚れたり破れたりしてもいい……でもカッコいいやつ……(なんて、助けを求めてしまうのだった。彼女からの“いじわる”には、ぶんぶんとかぶりを振って、)いや、……その、普段おれが着てるのと系統が違うから、……服がカッコいいのはわかるけど、似合ってるか自信がないっていう話で……、(自信なくてごめん、と続けようとしたけれど。腹部に受けたパンチと、そして彼女の言葉に。もう一度、いま自分が着ている服を見下ろして、「……うん、カッコいい」と、言葉を変えた。)キメ顔……? そんなのしたことない……(果たして“キメ顔”とは。悩みながら、彼女に言われるままに同じポーズをとって。落書きができるのに気づいて、「そよぎちゃん」、「あとじ」と、それぞれの名前と、今日の日付のスタンプを押した。――プリントされたそれを手にとって、彼女と一緒に覗き込もう。)……おれ、ぜんぶ顔が一緒だな……そよぎちゃんは、……かわいい。宝物にする。(彼女の華やかさと対照的な自分の仏頂面っぷりに、可笑しくなってしまう。ふっと表情を和らげて、「はんぶんこしよう」と、筐体に備えつけられていたハサミで切ろう。こんなふうに、なんでもない、普通の思い出を作っていきたい。そう思いながら、「はい」と、半分を彼女に差し出した。)

梵一期〆 ♦ 2021/01/13(Wed) 18:21[36]

(不思議そうに頭に刻んだHootersの単語は、この後買ってもらうパソコンによって解消されるだろう。かわいいと思う店ほど年齢制限が高く、彼に不満を漏らすのもまた近い未来の話。)170までいったら大きすぎない? ちいさいほうがかわいいって思うこと、あるよ。(言いながらも背伸びをして距離を縮めようとするあたり、やはり身長差には不満が残るらしい。単純な目に見える距離よりも、きっと感じているのは大人と子どもの壁だ。一期自身はその自覚がないからこそ、分かる形で埋めたがるのかもしれない。)汚れても破けてもかっこいいのぉ?(頓狂にひっくり返した声はすぐに答えをひらめた。ぴこん、と電球に光が灯るような、あるいはびっくりマークが跳ねるような。口角が釣り上がるのは片方だけ。ニィ、したり顔。)最初っから汚れてて破けてればいいんだっ。ロックな感じのやつ。そういうのも、アトジくん似合うよ。(L字を作った手が顎で決まる。きらんと双眸に光も差していたことだろう。こうしてプリクラを撮り終えた後の予定も勝手に決定。もちろん己の服も一緒に選ぶつもりだし、アクセサリーのひとつでもねだるかもしれない。――それから。言わせたような言葉でも、彼の意思でそうしてくれたのだから、ふにゃりと緩んだ眦でよく出来ましたと言わんばかりに頭を撫ぜようと手が伸びる。けれどもそう簡単に触れられる高さでもない。悔しさを滲ませながらも、喜色溢れたまま肩をさすろうか。)したことないなら今から見っけようよ。アトジくんのいちばんかっこいい顔!(そう浮足立たせたのに、数分後には同じ表情ばかりが並んでいたので、けらけらと笑声を響かせてしまったのは許して欲しいところだ。ついでにいうと、ぱっちり大きくなった瞳も面白さを助長させた一因でもあった。落書きの最中からツボに入ってしまったのか、眦に涙が浮かぶほど笑い倒して、受け取ったそれを見つめながら収まらぬ笑いをふくふく溢れて、)あたしも、このプリも買ってもらった服も、ううん、もっと前から。アトジくんが連れ出してくれたときから今までずっと一緒にいてくれた時間がぜんぶ宝物だよ。(屈託のない笑みに変わる。まごうことない満面の笑みで彼の手を攫おう。あの日繋いでくれたときと同じあたたかな体温を感じながら、今日を満喫したい。やりたいと告げたタピオカとUFOキャッチャーも、それから映画を観て、ボーリングやカラオケも、日がとっぷり暮れた後も時間が許す限り“買い物”の粋を超えて遊び尽くそう。)

阿閉託夢〆 ♦ 2021/01/14(Thu) 18:58[38]

おれは身長高い女の子のほうが好き……いや、おれの好みは関係ないか。……身長なんか関係なくて、健康で元気に育てばそれがいちばん。(大人ぶって鷹揚に頷くけれど、彼女が言葉と裏腹に背伸びするのを見れば、「……そよぎちゃんは伸びると思うよ」なんて軽く笑うような声音で添えた。――自分のSOSに、すぐにひらめいた彼女の答えに。ぱちぱち、と幾度かまばたきをして、)……いや、ロックテイストは……いや……でもいま着てるのもカッコいいし……そよぎちゃんに選んでもらえばだいじょう……ぶ……だと思うことにする。(ロック精神のかけらもない自分がそんな格好をしても微塵も似合わないのでは、なんて考え込んでしまうけれど。いま着ている服だって、彼女が選んでくれて、そしてかっこいいと言ってくれた服。その彼女のセンスを信じて、任務服のセレクトも任せよう。L字の手を向けられると、無表情のままピースサイン。肩に彼女の手が触れれば、「……おれは子供あつかいされてる?」なんて言いながらも、表情は柔らかかった。)おれ顔の筋肉が死んでるから、キメ顔ができる気がしないんだけど……そもそもキメ顔なんていつするんだ……プリクラ撮るときか。そよぎちゃん、教えて……(キメ顔の作り方。表情筋をほとんど使っていない自分でも、彼女が教えてくれたらできる気がしてしまう、なんて言ったら笑われるだろうか。ぱっちり目が大きくなっている自分には、「……こういう仮想怨霊いそう……」なんて、呪術師らしい(?)コメントをこぼしていた。けれど、彼女が笑ってくれるならなによりだ。)――もっと増えてくよ。宝物。また今日みたいに出かけたり、ゲームしたりテレビみたり……そよぎちゃんが「もう飽きたからいーや」ってなるくらいに、増やしてこ。(これは任務の一環で、この生活がいつまで続くのかもわからない。別れは明日やってくるかもしれない。無責任だとわかっていながらこんな事を言ってしまうのは、きっと子供だからなのだろう。14歳の彼女に比べれば年上でも、自分がまだまだ子供である事は十分に自覚していた。――それでも、まだまだ世界には楽しいことがあるのだと、あの施設から出てよかったと、幸せは外にあるのだと、彼女に知ってほしかった。つないだ手を揺らしながら、さて、次はどこに向かおうか。自分も初めてのタピオカに、意地になって100円玉を連投する事になるUFOキャッチャーに、意外な上手さだったりするカラオケに――存分に今日という日を堪能してから、一緒に帰ろう。)

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