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祈織さんあて定期便のお届けでーす。

穿月桐静 ♦ 2021/02/08(Mon) 20:23[82]

(宗教団体Xの解体事件。あれから一週間がたった。高専の日常は戻りつつある。戻らなかった者もいるだろう。もう戻らないものもあるだろう。けれども確かに救い上げた僅かを抱えて、今日も生きている。男と言えば、呪力切れと呪具の破損は激しかったものの、体の方は五体満足で問題なく治された。ピアスを引きちぎった左の耳たぶには疵が残り、切れたままとなったが。それくらいで済むなら上々だ。明日からはまた二級術師として任務に赴く。その前に――どうしても、行かなければいけないところがある。今までだって何度も足蹴く通ったであろう彼女の元だ。今日のお土産は真っ赤なリンゴ。ナイフ等も入った紙袋を下げて向かうは、病院となるか寮となるかは、彼女の具合次第だろう。)祈織さーん、起きてる?俺だよ、穿月桐静。(こんこんと二回ノックをしてから問いかける。彼女が開けてくれるまでお行儀よく待っている男の目の色は橙と紫。髪色は黒。今日の夕方には新しいウィッグが届く予定だ。)今日はリンゴ持ってきた。一緒に食べよう。(度々食べ物をもっては彼女の元に赴く日々だ。たまに外に誘ったりもするがまだまだ体が心配で。)……俺、明日からまた任務で長い間いないからさ。これからのこととか、ちょっと話聞きたいなって思って。(時刻はちょうど昼下がり。空模様も男の笑みも穏やかな今日だ。)

卯木祈織 ♦ 2021/02/08(Mon) 22:17[83]

(「痕が残るだろうね」とは高専の医師の言だ。あの騒動の中で負った、幅3cmほどの切り傷。位置は額の端っこ、右眉の上辺り。死傷者の数を鑑みれば些末事だし、反転術式が施せないのはこちらに呪力が皆無だからであって致し方ない。そも傷跡の一つ二つで気にするタイプでもなし。それ以外は大きな怪我も後遺症もなく、再び舞い戻った寮の一室で念のための静養をしていた。が、暇を持て余しすぎて購買で買ってきたスケッチブックも既に二冊目に突入している有様である。)はーい?あっ起きてる起きてる。(入っていいよと入室を促すつもりが待ちきれず。結局自分で扉を開けに行くも、左耳の疵につい見入ってしまうのはここ最近の悪い癖だ。申し訳ないのに奥底に喜びがあるような。ああ、歪んでいる。)…最近なんか肥えさせられている感が……最終的に食べられたりする?わたし。(相変わらず物騒さ漂う冗談を飛ばして、持ち込まれたリンゴには「うさぎにして」と注文を付けた。自分でやってもいいのだけれど、彼ならなんとなくできそうな気がして。持っていたスケッチブックをベッドの隅に放り投げ、ローテーブルの上に皿やら何やらセッティング。)ヤだなあ…。……あ。話をすることがじゃないのよ。さみしいなって。それだけ。(あたたかな空気と柔らかな笑みを前に、女だけが曇り顔。ゆるゆる首を横に振り「それで、」と続きを催促して誤魔化せるだろうか。)

穿月桐静 ♦ 2021/02/09(Tue) 21:40[97]

(彼女の顔に残った傷跡に眉を下げてしまうのは、きっと悪い癖だ。でもともしもの螺旋階段はどれだけ積み上げたって答えは出ない事を知っている。今は持ち帰った命だけ抱えていればそれでいいはずなのに。)何かしてた?……別にそういうつもりじゃなかったけど、祈織さんはもっと食べてもいいくらいだよ。というかそういう冗談止めようね?ヘンゼルとグレーテルじゃないんだからね?(なんて、いつものやり取り繰り出しながら。してと言われれば大人しく床に座ってするんだろう。ウサギのリンゴは一番簡単なのしか知らなくて、ぴよんと耳ふたつ作ったリンゴを皿に入れて彼女に進めながら、あまりの皮は自分の口に放り込んでいく。)……最近、ちょっとだけ祈織さんのさみしいを期待する自分がいてやだなぁって思う。(シャクシャクと皮を噛み締める間にぽっつりとこぼしてから。本題に入ろうか。)ここ卒業したら、本家に戻るんだけど。……祈織さん、お手伝いさんとかやってみないかなー……って。(何でもない風を装おうとして誤魔化しきれていない感は存分に。綺麗に八匹分のうさぎさんを切り終わって、ナプキンで拭きすぎなくらい手を拭いた。)勿論、他にやりたいことがあったり、見つかったりしたら、それをするのがいいよ。でももし、俺が卒業するころになっても祈織さんがここにいたら……来てみる?穿月家。(どことなく感じる気恥ずかしさは誤魔化せそうにない。黒髪のつむじをかし、と掻いた。)あ、お給料もお休みもちゃんと出るよ。

卯木祈織 ♦ 2021/02/10(Wed) 12:34[106]

…手慰みのお絵かきよ。備忘録も兼ねて。(ぺらりとめくったスケッチブック、真っ先に見えたのは一人の少女だった。次のページでは夜より深い色をした異形の姿。――ヘンゼルとグレーテルとは中々言い得て妙だ、男女逆転ならぴたりと来る。食べるためでなく己が願いのためにヘンゼル、つまり贄を使おうとしていた魔女の心の裡は終わってみてもわからない。だが覚えているうちに姿だけでも遺しておこうと思ったのだ。墓碑銘もしくは献花として。)かわいいわ、ウサギちゃん。(湿っぽくなりそうな空気を払拭すべくうさぎリンゴと作り手を称揚し、彼の卒業後のビジョンに想像を巡らせながら首肯した。)いいよ。寧ろ願ったり叶ったりね。(彼の斡旋する仕事がヤバイものであるはずがないという信頼を下地に、何てことない顔して承諾する。ついでに「あー」とお口を大きく開けてリンゴを催促。どことなく世話されることに慣れ切った爬虫類みがある。)セイこそいいの?呪力なし学歴なし、どこの馬の骨とも知れぬ女ですが。というか本家が穿月家ってことは……ええと、名家とか旧家なの…?(次々明かされる新情報に目を白黒。彼の両腕をがっちり掴んで問い質すが、偉ぶらない姿に、「まあいいか」とホールド解除。)セイはセイだものね。あ、桐静お坊ちゃまって呼ぶ?それとも、ご主人様(語尾にあざとくハートマーク付けた口ぶりで告げて一拍開け、)のほうがいーい?(にやりと微笑んだ。)

穿月桐静〆 ♦ 2021/02/11(Thu) 23:22[122]

(迷った末に何も言わなかった。何も言わないことがせめてもの報いだと思ったからだ。ただゆったりと瞳を細めて、「そっか」と日常の一部にしていく。いつか、こんな傷にも踏み込める日が来るのかわからないけれど。今は、りんごを剥いて分け合うくらいのぬるま湯に浸かっていよう。適温だと思ってくれるならそれでいい。)ほんと?よかった。なんか変なものに目をつけられててもいけないしね。うちの周りは山だけど、電車乗れば街まで出れるし、……これやっていいやつ?捕まらない?(自然と差し出しかけたリンゴに一旦考えるも、最終的には彼女のご随意のままに。頬張った姿を見るだけで満足げな表情をして見せるんだろう。)呪力は性質みたいなものだし、学はこれから与えられて然るべき。人間、ぶち込まれたら案外順応するしね……まぁ嫌なことは嫌だって言ってくれると嬉しいかな。……どっちかっていうと旧家かなぁ。五条先生の所に比べたら全然だけど。(遠いところを見つめる瞳には変わらぬから笑いが付随し、家についてはへらりと事実を述べるのみ。「そうそう、別に俺がすごいわけじゃないし。」案外坊ちゃんで嫡子で跡取りの男はそうやって笑うのだ。)……変な扉開いたら嫌だからやめよう?普通に気にしないでいいからね?というか気にしないで?お願いだから。(そうしてまたこうやって、なんでもない問答を繰り返して。どうか一緒にいられればいい。何年先でも。そう思うのは我儘だろうが。)好きなように呼んでよ。……君が自由にしているのが、俺は好きだよ。(そう思うのだって本当だから。どうか2人の倖いが、できるだけ重なっていますようにと、祈らずにはいられないのだ。)

卯木祈織〆 ♦ 2021/02/12(Fri) 03:11[128]

(いつか、そんなこともあったねと笑い合える日が来ますように。移りゆく会話の中、そんなことを思った。)高専も僻地だから大丈夫。あ、けどうっかり山に入って遭難しちゃったら回収よろしくね。…ふ、捕まっちゃったら今度は私が囚われの君を救出に行こうかな。なぁんて。(彼の為人からして冤罪だと周囲が言うだろうから罪にはならない。それに言い出しっぺはこちらであるし、もぐもぐ頬を膨らませて咀嚼する女が摘発をするはずもなし。「セイは意外と気にしいね」と口元に手を当て微笑した。)へええ……言葉に重みがあるわ。えーと、んん……ここを出てく前に五条先生にダッツ奢ってもらお…。(クリスマスからまだひと月と少し。呪術師界のパワーバランスや五条家の権力お家柄あれこれの知識は爪の白いところ程度しかない。御三家相手に集るにしてはみみっちい内容を独り言ちつつ、「ふうん」と彼の言葉に頷き返す。――余談だが、穿月家で食い扶持を稼ぐようになってまず言ったことがある。曰く、「騙された」。半眼になって彼へじとりと視線を送ることになろうとは、この時はまだ考えもしなかったのだ。)えー…そう言われると開けたくなっちゃうのが人の性。食わず嫌いは良くないわ。慣れたら案外楽しいかも。(この時間が楽しいと思うのはきっと一方的じゃないから、二人の応酬が止まらない。いつまでだってこんなふうに、じゃれつくように一緒にいたい。)…ふふ。うん。連れ出してもらったんだから、閉じこもったりしない。どこへだって連れて行ってよって言ったけど、今でもそう思っているけれど。おいていかれないように、自分の足でも歩いていくわ。だから近くにいさせてね、桐静。(彼の祈る倖いと寄り添えるように。その手を取って、指切りしようか。)

(これから数年後までに、互いに変わったことはあるかもしれないしないかもしれない。娘にとっての変化はいくつか。たとえば、オンオフはっきりしているタイプだと判明したこと。業務中は当主を「旦那様」、彼を「桐静様」と呼び分けていること。恐らく当主になった暁には旦那様呼びにチェンジするのだろう。それから仕事が意外に丁寧なこと。割に自分で自分のものを買うことは苦手で部屋が簡素なこと。それから、プライベートでは彼を呼ぶとき「桐静」が常になったこと。本当は、そうやって呼ぶときいつも緊張しているのはまだ内緒にしておきたい。)

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