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御調、アレルギーとか持ってる?あっ、あと好き嫌いとか。

今波燈 ♦ 2021/02/08(Mon) 01:31[79]

(彼等と共に再びXからの帰還を果たした翌日。丁寧に畳んだ洋服はそのまま置かれていて、帰って来てもよい場所と言う実感でじんわり眸子が潤んだことはひみつにしておく。見た目が派手だった割に大した怪我では無かったから余程のことさえしなければとむすめの自由は確保されていた。先日挨拶したばかりで迷惑も心配も掛けたひとりの教師には誠心誠意謝って、彼の部屋を教えて貰ったなら迷わずそこへ足を向ける。いつかのようにニットワンピに身を包んで、手には小さな袋をふたつ。緩く握った拳で扉を叩けばかろやかなノック音が響くから、ひとまずは彼の応答を待とう。)御調、ちょっと出られる?絶対安静ってことなら部屋にお邪魔しても良い?だめなら……どうしよう、先生たちに言って許可貰ってくる?(外なら目的地はガーデンハウス、そうでなければ彼の部屋で。小さな袋を両てのひらの上にひろげれば「昨日言ってたハーブティー、一緒に飲めたらと思って」と小首を傾いで見せる。)……少しだけお守りの中に入れていた以外、勿体なくて全然飲めてなかったの。覚えてる?初めて出掛けた時にくれたハーブティー。 あっ、他のが良ければそれにするけど何か飲みたいのある?(持参したのはこのジャーマンカモミールのハーブティーとさんざしの実である。後者についてはお裾分けで貰ったものだけれど、むすめとしては甘酸っぱいものは大歓迎だからして。)御調、さんざしって食べられる?

御調久遠 ♦ 2021/02/08(Mon) 23:43[86]

(怪我をしたのは高専に属する呪術師だけではなく生き残りの信徒も多数。となると、唯一他者へ反転術式を施せる高専専属医師の負担は大きく、チクチク刺されたのは言うまでもあるまい。稀に薬を頼まれたりする仲であるからか、怪我常習犯であるからか、他の誰よりも鋭い言葉を頂戴したように思うのはさて気のせいであったか。斯くしてXが事実上解体となったその翌日、治癒を施された男の姿は自室のベッドの上にあった。頭の後ろで手を組んで、気怠い躰をただただ横たえているだけの実にもならない不毛な怠惰。意識が覚醒してこの方考えているのは、今後のこの身の振り方である。矢張り呪術師としてしか生きていけないのだろうことは先の任務を以て明らかになったことではあるが、考えなければならぬことは他にもある。とはいえ病み上がりの頭は怠けたがって働いてくれぬゆえ、いっそ運動場で躰でも動かしてくるかと身を起こした折のことだった。)オイコラ。幾ら病み上がりだからつっても、軽々しく男の部屋にあがろうとするんじゃねーよ。ンなわけでオレはカノジョ以外部屋にあげるつもりはねえから、そこンとこ覚えておきな。(恐らくは男を気遣っての提案を年頃の女なら自己防衛しろというように軽くいなし、小さな溜息ひとつ。誘いには「ああ」そーいうことねと頷いて、ガーデンハウスへと向かうことになるだろう。)イマナミが服見てえからスーパー連れてけって言った日のことだろ?そりゃモチロン忘れるわけねーよ。(意地悪く笑うと共、揶揄を吐き出す口は病み上がりも健全だった。)さんざし?喰うってーと、実のほうか。喰えンじゃね。味はわかンねーけどな。

今波燈 ♦ 2021/02/09(Tue) 04:10[90]

(雑用を主に手伝った身としてはそれこそ色々考えて一晩中彼についていなかっただけに「軽々しくはないつもりだけど、」と何から返答すればよいかわからず不満をあらわにして困ったように苦笑う。とは言え、彼の同意を得られたようなら目的地へ向かって支度を整えよう。此度訪れたのは、むすめのささやかな変化のあらわれだ。彼が休みの度に運んでくれていた足を、今度はむすめの方から向ける。気遣うことは必要だろうが、彼相手に変に遠慮してすれ違うのは流石に懲りたから。)そうだけど!御調は一言多いよね、抓るよ。(本気か冗談か。何にせよこうしたやり取りで帰って来たことを実感するのだから、ふくざつな心情に思わず押し黙る。せめてと恨めしそうに横目で見遣りながらカップの中にハーブティーを注いで彼に差し出し、ゆるやかに相槌を打っては横にさんざしの実を添えた。)なら良かった、お裾分けして貰ったから一緒に食べようと思って。私は酸味のある方が好きだから、少し飲んだら入れちゃうつもりでいるんだけど。(仕返しに追求でもと思う傍らひとまず聞き流す方向にシフトして、むすめの分のハーブティーを持って席に着く。過日手に入れそびれた平穏をふたり享受出来たならさいわいだ。カップを持ち上げてハーブティーを口に含んでは、静かに嚥下してそのやわらかな甘みを味わう。胸中にひろがるあたたかみに眦を下げて顔ばせを和らげて、さんざしの実をカップの中に落としたならくるりとスプーンで一回転。話があると言えばあるし、ないと言えばない。ゆえに思惟を巡らせ続けているのは、何からどう語ろうかと言うこと。)……ねぇ、御調。(だから、その名を呼ばうのもためらいがちに。)

御調久遠 ♦ 2021/02/10(Wed) 01:20[103]

(躰中傷だらけの穴だらけでこそあったものの、重傷と呼べるほどの怪我を負ってはいないのだから絶対安静でもなければ寝たきりになっていたというわけでもなく。気怠さはまだ抜けきらぬが、怪我の度合いでいうならば男はきっとマシなほうであっただろう。軽口での戯れに拗ねたような声が返って来たならば、反省する素振りもみせずに「やるならヤれよ。でも怪我開いたらオマエのせいな」なんてけらりと笑っている。本気だろうと冗談だろうと呪い相手に身ひとつで挑んでいる男にとって少女のささやかな反撃はきっと痛くも痒くもないであろうからと侮って。ほのかに香るジャーマンカモミールに知らず表情を和らげては差し出されたカップを一口。さんざしにはまだ手を付けぬまま、呼ばれた名に応えるように視線を少女へとやった。)イマナミ。 オレ今年の……つってあと二ヶ月もねえンだけどよ、3月の頭くらいにここ卒業するんだわ。ンで腰据えて呪術師やる。まあ大半の呪術師が高専拠点にしてるし、オレも出て一人暮らしする予定なんだが、ここに顔出す頻度は忙しい頃とンなに変わんねーんじゃねえかって思う。 イマナミはどうすんだ?面倒見て貰えんだろ、暫く。(とは喰えぬ教師から聞き及んだ話だ。面倒を見て貰えるということならば、少女は恐らくここにいるのだろうと踏んで会える会えないの話題にも少し触れる。それから、ずっと考えていたことを僅かばかり口にした。)……あとコレだけはハッキリさせておくけどよ。オマエがもし、いつか穏やかでしあわせな家庭を築きたいだとか、子どもが欲しいとか、ンな一般的な家族みてえなしあわせをオレに求めてンなら、オレはオマエの欲しいモンをやれそうにねえ。 呪術師は続けるし、家族は持たねえって、昨日オマエと離れてひとりで呪霊祓ってる時によ、決めたンだわ。呪霊祓ってン時が一番生きてるって思えるってか、……切っても切り離せねえモンっていうか。だから一生、地に足つけずに生きていこうってさ。(少女が男に求めるものがなんであれ、呪術師を続けていくことは既に決めてしまった。なににも興味を持てなかった男の第一歩。少女もなにか言うことはあるだろうかと、さんざしの実をカップに落としながら少女の黒曜の双眸を見据えて。)

今波燈〆 ♦ 2021/02/10(Wed) 03:23[104]

(悩んだ末、彼からの返しにはくちびるをへの字に曲げて口を噤み、口火を切った彼の話には「そう」と一言。)ひとまず高卒認定を取るまでは高専にいると思う。それからは大学に行けたらと思ってるけど、その時高専を出るかどうかはまだちょっと未定。(実は出るつもりでいたが、気が変わったのは此処にいることで彼と会う頻度が今と変わらぬのであればその方が都合が良かっただけの打算だ。「うん」と相槌に次いで、おおきくまばたいた双眸は素直な驚きを示す。)そこまで考えて無かったけど……とりあえず、一般的な家族みたいなしあわせが大事って思って、今を選んでる訳じゃないってことは伝わると良いなって思った。 私が言ってること、伝わりそう?(分かりづらいことを言葉にしてる自覚があるだけに、自信無さげに小首を傾いで。)私ね、次会ったら何を話したら良いかずっと考えてた。今もあんまり纏まってはいないけど……さっきのアレも意識しちゃうのがそこそこ悔しいし、少し言葉にしておくね。他にも私に聞きたいことあるなら聞いてくれて良いけど、今すぐ御調に何か応えてって言ってる訳じゃないから困らないでくれたら……いや、困っても良いけど嫌がらないでくれたら嬉しい。(やわらにした顔ばせも交錯させた視線もそのままに、頬と同じようにほんのり朱を混じらせたハーブティーが揺れるカップの縁を指でなぞる。ちょっぴり緊張はするしおもはゆさだってあるものの、言葉にせねば伝わらないことは過日実感したから。ゆえに此度語るのはむすめの意気込みである。いまのむすめに在る、たいせつな気持ち。)私、御調が好きだよ。御調の言う通り可愛くなくて上手にあいせないかもしれないけど、他の子みたいにやさしくてきれいな気持ちでおもってあげられないかもしれないけど、それでもやっぱり恋をするなら御調が良いなって気持ちは変わらないみたい。(そして、誰かにあいしてもらえる未来があるなら彼がよい。例えそれがむすめには過ぎた願いだとしても、むすめがぜんぶ欲しくて誰かには譲れないと――譲りたくないと、強くおもえたひと。共にしあわせになるならこのひとが良いって、どさくさ紛れにではなく、生まれて初めて、このこころに向き合って希望を語った瞬間だった。)あのね、御調がやりたいことを見つけたなら止められないと思ってるし、止めようとは思ってないの。生き延びて欲しいことと呪術師を止めて欲しいことだけでイコールになる訳じゃないし、御調が決めたならそれで良いとも思う。御調が興味を持ったこと、否定した訳じゃなかったんだよ。(むすめの気持ちばかりで多分彼にとっての要がすれ違っていたことに気付けたのは時間を掛けたお陰なのだろう。ごめんと謝罪の言葉と共に続けた「ただね」の一言は少しだけためらうように。)さっきの私が求めるものの話、約束は出来ないから、しない。それ、今すぐ決めなくちゃだめ?一生ずっとを決めるのは自信ないよ。だって、一緒にいたら家族になりたいって思う日が来るかもしれないもん。 でも、代わりにひとつだけ約束する。御調がそうしたいと思っていない限り、呪術師を止めて欲しいとは言わない。多分私も思ってないと思うから。おだやかでしあわせな時間がずっと続いて欲しいとは思うだろうけど、絶対に全部そうじゃなきゃ嫌だって駄々を捏ねるのはしない。(それが、むすめのおもういまの寄り添い方。むすめなりの歩み寄り。勿論むすめは彼の思う通りにすべては動いてあげられないから、また未来にはあわいを埋めようとまた彼とぶつかることもあるかもしれないが、大事な芯は見失わぬように先んじて約束を結んでおく。どう?とでも言いたげに再び小首を傾いでは、吐息を零してひと心地。)まぁ、御調がどんな生き方をしようと生きたいって思えるようになって欲しい気持ちは変わらないから、まずは御調が楽しいって思えることが他にもないかは一緒に探していきたいかな。一緒に色んなことをしていこ。 まずは前話してたデートからでどう?あれ、実は結構楽しみにしてたの。(しあわせないまを降り積もらせて、あかるいみらいをこいねがう。だって、彼は生き方を変えてくれた、ひとりにしたくないなっておもった、たったひとりのとくべつなひとだから。恋だけでは物足りなくて、愛と言うには些か欲深いおもい。持て余す感情に眉尻を下げてあわく笑い、項に手をあてた。)それと、御調が御調自身のことをたいせつにしないなら、私がその分までしてあげたいなって思ってる。何時だって思い出せるように、生きようよって声を掛けてあげられる距離にいたい。(泣きたくても泣いてくれない彼を、いつかのように触れて慰めてあげたい。代わりに、挫けそうになったらばかでもあほでも言いに来て欲しい。それを忘れないでって伝えることが出来たなら、それは今のさいわいに違いない。首にあてていた手を下ろしてカップを持ち上げ、残っていたハーブティーを一気に呷ったのちにはテーブルに手をついて立ち上がった。「御調もお代わりいる?」と小首を傾いでポットの方に向かってから思い立ったように振り返って。)後ね、御調が好きじゃなさそうだから敢えて言うけど……私は好きだよ、その名前。 素敵なことばかりじゃなかったのかもしれないけど、御調が今まで生きてきてくれたのは、今の御調がいてくれるのは、その名前に込められたおもいのおかげだったって言うなら尚更。私は、感謝してる。(言葉を尽くさず他者から一歩引いていたむすめはもう終わり。幼い頃だって子どもぶりたかった訳じゃなくて――さみしかったんだって、ひとりにして欲しくないって言いたかっただけなんだって気付けたから。話を終えれば眦も下がり、自然とやわらいだ笑みが深まってゆく。彼の様子にもよるがそれ以降はむすめの気持ちを語るでもなく、他愛ない話を重ねることでこのやさしいひとときを彼とふたり甘受しよう。)

御調久遠〆 ♦ 2021/02/10(Wed) 22:51[112]

約束しろとは言ってねえ。ただ、そういうしあわせを求めるンならきっと応えてやれねえから、早いうちにオレのことは諦めろって言ったンだよ。その方がオマエのためだから。(どこから話を始めるべきか。一緒に居ると決める前に、少女のしあわせが何処にあるかによって今すぐに決断をすることも必要だと思ったのだ。喩え少女と結ばれる未来を歩むことになったとして、呪術師であることを差し引いても普通のしあわせを与えてやれないだろうと自覚している。子どもを持ちたいとは思わないし、任務で長期間家を空けることもあれば、怪我もきっと絶えない。寂しい思いをさせてしまうことのほうが、きっとずっと多いだろう。わかっている、とまた言われてしまうかもしれないけれど、念には念をで忠告したくなったのも、すべて少女のしあわせを想うからこそだった。)オマエのコトは好きだし、大切だと思ってる。けどそれはイマナミがオレに向けてくれてるモンとは別の感情だ。 しあわせにしたいってより、オマエにはどっかでしあわせになってほしいと思うし、傍に居たいってよりゃオマエが平和に暮らしてる世界を守ってやりてえと思ってる。少なくとも今、オレがオマエに懐いてンのはそーいう感情なンだよ。(恋慕ではなく思慕であり、ある意味では恋人よりもなによりもきっと最優先に考えてしまう尊き命。だから時間が要る。呪いに縛られるのではなく、誰かのために生きたいと思える日が来るかどうかについても、これから時間を掛けて向き合っていかなければならない課題だ。そしてもし誰かのために生きたいと思う日が来るとしたら、その相手は少女なんだろうという確信があるから離してやれる今の内に確認しておきたかったのもある。軽口を交わす遣り取りが心地いいと感じてしまっているあたり、既に世界は鮮やかに色付き始めてしまっているのだから。)ま。 呪術師やめろって言われたって絶対ぇ辞めてやらねーし、そこンところは問題ナシ。 デート?あー…そーいやスカイツリー行くとかいってたっけか。他にもしてたな色々。(そういえば、と想い返すあれやそれ。意外にも交わしていた約束は多くって、思い当たるものを見つければ苦笑も滲む。常日頃死を、黄昏を懐いているくせに、これだけの約束を作っていたなんてやはり口で言うほど死にたがりではないのかもしれないと。終ぞさんざしを加えることなくカップの中を飲み切っては、おかわりを問う音に「じゃあ貰うかな」と空のカップを少女の近くへと置くだろう。この身を縛る呪いの名へ贈られた祝詞には、面食らったように黄昏を瞠りもしたけれど、)そりゃどーも。 ……オレも、いつか好きになれりゃイイんだけどな。(穏やかな父の微笑む貌が鮮やかにまなうらに蘇ったなら、男にしては珍しく照れくさそうにはにかんで、そんなふうに応えただろう。この身に刻まれた呪いを祈りと想うことはまだ出来ないけれど、いつかそう思えたらいいと。そう考えたことこそがきっと、変化への一歩だった。)

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