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(いのちだいじにとは程遠い)

御調久遠 ♦ 2021/01/31(Sun) 17:44[70]

(1月21日、夜。自動販売機前。ガーデンハウス内にて少女と別れそのまま運動場へ赴いてからというもの、今の今まで憂さ晴らしに独り特訓を繰り返していた。むしゃくしゃを抑えることもせず、素手で思い切りサンドバッグを殴りつ続けた所為もあって拳はかなり酷い仕上がりだ。自動販売機の明かりに照らされた赤い皮膚へと眼差しを落としては、メリケンをつけるなり布を巻くなりすればよかったと後悔したところで今更だろう。下手したら皹が入っているかもしれないな、なんて他人事のように吐息ひとつ。この後は医師の許に行くか、いや時間的にそろそろ食堂が閉まるゆえ先になにか腹に入れておくべきか。腹が空いてない現状適当な炭酸飲料で済ませる選択肢もある。誰も居ないのをいいことに我が物顔で自動販売機に背を預けてはのちの行動をぼんやり考えつつ、腰のベルトに括りつけた医療ポーチから手製の傷薬を取り出そうとして。)──っ、(奔った痛みに指先が傷薬を取りこぼし、プラスチック製の軟膏容器は地面へ落下。横になった容器がそのままコロコロと器用に地面を転がっていくのをうんざりと見遣っては、)オイ、そこの。 ソレ、取ってくンねえ?(ストックはまだポーチの中に入っているとはいえ、ふと人の気配を感じたならばちょうどいいとばかりに声を掛けた。顎で使ってやろうという魂胆で。)

阿閉託夢 ♦ 2021/02/01(Mon) 04:10[72]

(あらゆる種類のチーズケーキを、めいっぱい堪能した後。少女と別れて自室に戻った後は満腹感からか眠ってしまい、目が覚めた時には日が暮れていた。甘いケーキに、砂糖をたくさん入れたカフェオレ。甘党の男でもさすがに砂糖の入っていないものが欲しくなって、自販機の並ぶ場所へと足を向けた。あくびを噛み殺しながら歩くその姿は、ラフなトレーナーにジャージのズボンという、なんともやる気の感じられない格好だった。)…………、(コロコロと、足元に転がってきた容器。なんだろう、と思う前に声が聞こえて、ああ、と察した。腰を折り曲げてそれを拾えば、顔を上げて。)狂犬せんぱ……じゃなかった、みつぎせんぱい……とって食わないでくださいね……(なんて、怯える子犬のような空気をかもしだしながら、おっかなびっくりといったふうに近づいて、拾った容器を差し出す。)……こんな時間まで自主訓練ですか。おつかれさまです。任務続きだったんだから、今日くらい休んでもいいでしょーに。おれみたいに。(寝起き丸出しの顔で言いながら、またあくびをひとつ。ポケットから小銭入れを取り出して、自販機に硬貨を投入する。甘くないものを、と思っていたのに、いつものクセでココアのボタンを押してしまってから、「……まあいいか」と呟き、缶を取り出した。)……どうすか、二級になって。毎日は楽しいですか。……てゆーか、ケガしてんですか。家入さんとこ行ったほうがいいですよ。

御調久遠 ♦ 2021/02/02(Tue) 00:19[73]

(なんともゆる~い格好で気怠そうに歩くこの後輩の、戦場でのギャップの凄まじさに呆気に取られたことは比較的記憶に新しい。ゆえ悩むことなくすぐにその名も浮かぶというもの。すっかり耳に馴染んだ呼称を聞くなり愉快そう笑声をあげて。)ハハッ、なんかオマエにだけは狂犬って言われたくねーわ。 安心しろよ、拾わなかったとしたって喰いやしねーよ。いやまあ人間の肉も喰えるけどな、術的に。(おっかなびっくりといった様子を見遣ればそりゃあ意地の悪い男が放っておくわけもなし。安心を誘う言葉を掛けておきながら、物騒もおまけでつけておいた。差し出されたそれを「さんきゅ」と掌で受け取ったなら、早速指先に軟膏を掬い取って拳全体へと伸ばしていく。)あ? まあそーするつもりだったンだが、躰、動かしたい気分だったっつーか。オマエはそーいうこと……なさそーだな。(つい先日、彼の同級生とも躰を動かしたばかりである。引き合いに出して同意を求めようとしたものの、欠伸とその寝起きがおを見ては問いかけになることなく完結した。自販機が缶を吐き出す音を聞きながら塗り終えた軟膏をポーチに仕舞う。)変わンねえ、相変わらず任務はつまんねーし。他の術師との共闘ってのはだるかったな。 そーいうオマエはどーなンだよ。二級昇級。強い呪霊でも祓ったか?(つまらないと口にしたように心底退屈そうな音を吐く。ポケットから取り出した小銭を自販機へと投入しながら、「こンくらい薬塗っときゃスグだろ」とは怪我への気遣いに対して。けろりと笑いながら、無糖炭酸水のボタンを押した。)

阿閉託夢 ♦ 2021/02/02(Tue) 23:45[75]

ドーベルマンみたいなせんぱいの前に立たされたら、おれなんかチワワのようなもんですよ。……あ、そうなんだ。食ったことあるんですか。(と、尋ねるのは“人間の肉”について。怯えていたのが一転、興味を持ったらしく、「おれの術式も人間に使えますよ」と添えた。)自由に使える時間があるなら、寝るかマンガ読むかテレビみるかゲームしてたい……でもおれの術式的に鍛えなきゃいけないことはわかってるけど……でも寝て遊んでたい、サボりたい……(己の術式は、それ自体は攻撃力を持たない。けれど、しみついた怠けぐせはそう簡単に抜けるものではなく、そして昇級したからといって簡単に気分を切り替えられるわけでもなかった。缶ココアのプルタブを音を立てて開けながら、彼の答えを聞けば意外そうに目を瞬かせる。)せんぱいみたいに強かったら、二級の任務はおもしろいもんかと。……特級くらいになったらさすがに退屈じゃなくなりますか。それとも、特級になってもつまんないままですか。――おれは……どうかな。強い呪霊は祓ったし、退屈とは思わないけど……もうちょっと、目にみえるやりがいがほしい。おれの力でひとを助けた、救ったっていう実感がほしい、……なんて言ったら、狂犬せんぱいには笑われそう。(笑われる前に、自分でそう言っておいた。自販機を背にして寄りかかり、ずるずるとその場にしゃがみ込みながら、甘ったるいココアを一口。「……ありがとうって言われたい」、ぽつりと呟いてから、彼を見上げて。)せんぱいの目指す呪術師ってどんなですか。

御調久遠〆 ♦ 2021/02/04(Thu) 00:12[76]

せめて秋田犬じゃね? ある。つっても筋っぽくて固えし喰えたモンじゃねーけどな、すげえヤな顔されたのは憶えてるわ。記憶とか諸々解っちまうからコッチのほうが気分悪ぃってのによ。(実践では呪詛師に使ったことが一度あったくらいだが、幾ら味覚がないとはいえ人肉も中々堪える。「オマエはヒトに使ったコトあんの?」とはささやかな好奇心から。たまにはこんな会話だって悪くない。)ゲームとか漫画読むって楽しいか? オレも阿閉みてーになんかしら興味持てるもんがあったらゴロゴロ出来たかもな、逆に。オレは躰動かしてるほうが暇が潰れるからそーしてるってだけで、別に真面目ってワケじゃねーしよ。(暇潰しが訓練になっているのは単なる偶然だと思い至れば可笑しなものだと笑みも滲む。退屈を問う音には思案貌で腕を組んだ。)特級とヤり合ったことなんざねーからなぁ、どうなるかね。けどオレが愉しいなんて感じたら、そりゃたぶん死ぬ時なンだろーよ。たぶん。 あ?別に笑わねーよ、誰かに感謝されてえってのも立派な動機じゃねーか。つってオレにゃ理解は出来ねえけどな。(笑いはしないが、けれど自分とは異なる考え方であるとは思う。再び自販機に寄りかかれば、何の味もしない、けれどもほんのりレモンの香りを感じさせる炭酸水を呷る。)どんな呪術師になんて理想はねえよ。呪いが居りゃあ祓う。ンでいつか強え呪霊とヤり合えたなら、そン時に相討ちでもなんでもイイから充足感の中で死にてえ。オレはそんだけだかンな。(いつも死ぬことを考えているわけじゃない。けれどいつでも黄昏は死を見据えているから、理想もなにもあったものじゃない。軽い口調で言う内容にしては重いそれを、なんてことのないふうに口にする。ひとたび座り込む後輩を見遣っては、不敵に笑った。)そーいうオマエは? たくさんの人間に感謝されるヒーローみてえな呪術師になりてえの?それとも、オマエを認めてくれるたったひとりが欲しいだけ?

阿閉託夢〆 ♦ 2021/02/05(Fri) 02:42[77]

あいだをとって……スピッツ? いや、あれは白いから違うか……(なんて言いながら、自分のもさもさした黒い髪の毛をつまむ。自分を犬に例えるなら何か、今度あの子に聞いてみようと心の隅に書き留めて。)……おお……あるんだ……おれも、あります、人間に使ったこと。人間の敵意とか殺意のが、呪霊より複雑で……こわいし、あつかいづらい。……あああ……(ふいに呻いて、頭を抱えた。以前参加した、京都校との交流会の事を思い出して。そろりと向けた視線は、せんぱいの時はどうでしたか、と今度聞いてみようと思いながらの。)……ゲームもマンガも、めちゃくちゃ楽しいしおもしろいですよ。せんぱい、今度おれの部屋に遊びにきたらいいのに。せんぱいが好きそうなの、セレクトしときます。(言いながら、すでにいくつかのタイトルは頭に浮かんでいて。――彼の返答を聞いて、ひとまず笑わずにいてくれた事に安堵した。それから、ココアをちびちび飲みながら考えるような間が空く。)……せんぱいが正しいのかも。呪術師なんていつも死と隣り合わせだし、理想の死をみすえてやってくくらいじゃなきゃ務まらないのかも。……後輩に、「先輩、遺書書いてないんですか」って言われたことがあって。「いつ死ぬかわかんないんだから書いといた方がいいですよ」って。まだ学生で、後輩なのに。(でも、きっとその後輩が正しい、と思ったから覚えている。まだ学生でも、死と隣り合わせである事に変わりはない。「……おれはですね、」と一旦区切って、ココアを飲んでから続ける。)前者です。……たくさんのひとに感謝されて、あなたのおかげで助かったって言われる、ヒーローになりたい。正義の味方になりたい。でも、なれるとは思ってない。……とりあえず、遺書は書いておこうかな……(膝を抱えながら、なんだか暗い話になってしまったと反省。ぱっと顔を上げて彼を見上げたなら、)このあとおれの部屋来ませんか、おすすめのマンガ貸します。(と誘ってみよう。「あの子と一緒に過ごすなら、むりにとは言いませんけど」とも添えて。)

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