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(思考回路はショート寸前。)

治葛静音 ♦ 2021/01/27(Wed) 01:35[58]

(囮作戦に対して、乗り気でないかと問われれば微妙なところでもある。なんせ向こう数年は生活を保障されると言うのだから、身寄りをなくした女にとってはこのうえなくありがたい提案でもあるのだ。とはいえ考えてしまうのは更にその先、いよいよ高専の庇護も失くして天涯孤独となった時、さて自分には何が出来るだろう。)顔くらいしか取り得ないもんな、あたし……。(底抜けにポジティブな後ろ向き発言はいたって本気で、それゆえ足を向けたのは平素全く縁のない図書室だ。悲しきかな日本、学歴が未だ物を言う節のあるこの世界で、中卒の己が生きていく道は自然と狭まってしまう。どうやら仲間内では高卒認定とやらを受ける子もいるらしいと知ったのはカウンセラーとの会話の中でのこと。使った様子のない筆記用具と問題集を引っ提げて図書室にやって来たなら、窓際の一番日当たりの良い席に陣取っていざ勉強開始と意気込んだ――はいいが、)え?何これ東大入試問題?(――残念ながら、お頭はXに連れて行かれる前で成長をぱったりと止めていた。並ぶ数式もちんぷんかんぷん。首を傾げて問題集と格闘するその姿は、周囲にはさてどう映っていただろう。)

三須原弐那 ♦ 2021/01/27(Wed) 11:05[60]

(やるかやらないかではない。自分のために為すべきことだと判断した。おとり作戦に対して言えば、少女の認識はいまだその位だ。本日も施設に居た時と同じように高専内を徘徊する。くすんだオレンジのシャツワンピースに黒のスキニーを合わせた少女が彼女を見つけたのは本当に偶然で。)治葛さん、こんにちは。(声を掛け近づいたのも、本当にたまたまだった。少女自身は勉強に固執してないから、促されればやる程度。ただ、問題集とにらめっこしている彼女に興味を抱いたのも確かで。)分からないんですか?可愛らしい顔が台無しになっています。(隣から覗き込んで、ずばりぐっさり尋ねるだろう。かんばせには静かな笑みを湛えている。少女たちと接するときはいつもこんな調子であった。施設内に居た頃には彼女の答えがどうであれ「頑張ってください」といって離れていったものであるが、本日は問題集をしばしのぞき込み。)……この、一番上に乗っている例題を参考にすれば、解けると思うのですが。どうでしょう。(なんて、めずらしく口を出したりしてみようか。実際自分から人に絡みに行くことはあまりなかった少女だ。年上たる彼女にそんなことを行ったのは初めてかもしれない。)お勉強、熱心なんですね。えらいです。(こういうことを言うのはいつも通りだった。いまだいまいち世間ずれしている。)

治葛静音 ♦ 2021/01/29(Fri) 01:37[63]

(開始数分。白旗をあげるのにそう時間はかからなかった。早々にノートの端にパンダのやらキリンやら落書きを始める姿はお頭以上に思考がお子様なことが露呈していたか。けれど戯れの落書きも声をかけられればそこで終了。ぱっと顔を上げれば、そこに見えた見知った顔に緩く破顔してみせた。)ニーナじゃ~ん!なになに、ニーナも勉強?超難しくて困ってたの、あたしの可愛い顔が台無しになっちゃうくらい……、えっ、例題? うそやばマジわかるの? ニーナ天才?(差し出された救いの手に顔を輝かせ、いざすぐ問題に取り掛かろう――とはせず、寧ろ問題集を伏せて遠ざける始末。なんせ今は目の前の問題集より、もっとずっと気になることがあったから。あの敷地内で共に過ごした数年間、彼女と顔を合わせることは当たり前にあったけれど、こうして彼女が自ら関わりを持とうとしてくれたことなど無に等しかったかもしれない。一体どんな心境の変化があったのかと気にならない筈もなく、椅子を引いて「ここ座って!」と促したなら悪戯めいた笑みを口元に浮かべ、)珍しいね、ニーナが話しかけてくれんの。何か心境の変化でもあった?

三須原弐那 ♦ 2021/01/30(Sat) 10:44[68]

いいえ、私はお散歩です。この問題も確信はありません、多分というだけで。(静かな笑みはそれ以外何にも持ってないみたい。けれども、こうして会話を続けているのは確かな変化だった。必要以上のかかわりや会話は積極的にしなかった昔。首を傾げながら勧められるままに着席した今。明るい彼女の声で聴いて、初めて不思議そうな顔をして考えるんだろう。そういえば、数年も一緒にいるのに、こうしてしっかりとお話をすることがあっただろうか。)……誰かと何でもないお話をするのは、とても楽しいことだと思いました。あまり必要でない会話は、ご迷惑でしたか?(こてんと首を傾げて、可愛らしい笑みをじっと見つめるんだろう。それは所謂、雑談だとか井戸端会議だとか、日常会話だとかそういう普通の響きを持っていることをいまだ思い出せないでいるけれど。)治葛さんさえよければ、もう少し一緒に居てもいいですか?……お勉強、一緒に考えますので。(交換条件としてはいささか心許ないだろうが。変わったという彼女の、変わった行動をもう少しだけ見ていたくなった。すっかり閉じられた問題集の出番はいつになるか、さて。)どうやったら治葛さんみたいに可愛らしく笑えますか?(そうして問いをもう一つ重ねよう。)

治葛静音〆 ♦ 2021/01/31(Sun) 00:05[69]

(数年間の浅く薄い空白が何のその。寧ろ今までの空白がこうして彼女の変化を強く感じる切欠となるのだから、今は喜びたいところ。首を傾げるその姿を見れば、ぱっと表情を輝かせて軽く肩を叩いてみせた。)んなわけないじゃーん!何でもない会話大歓迎っ!     えっ?(問題集を放り投げていざ雑談と笑みを浮かべたところで、まあるく目を見開いた。投げかけられた疑問符は、予想外も予想外。凡そ今までの彼女から出てくるとは思えなかった話題は、何かあったのだろうと察するには十分過ぎるくらいのそれだ。)……~~笑いたい理由が出来たってこと!? もしかしてニーナのこと助けてくれた人のおかげ? 可愛くなんて簡単よっ!「世界で一番あたしが可愛い~!」って思えばそれでいいの、万事解決です。てことではい笑ってみて、どうぞ!(大きく両手で丸を作って促す笑いはいささか無茶振りか。それでもよかった。そんな戯れ半分の発言も、彼女の笑いを誘う理由となれば幸い。あと数日後には互いに挑む戦地があることを知っているから、この他愛ない会話を愛したい。何だか味方が増えた心地になって、緩む口元には意図せず穏やかな笑みが浮かぶ。)ねね、ニーナ。帰ってきたらさ、一緒にケーキ食べに行かない? 久百合さんの話も聞きたいし、あたしの話も聞いて欲しいな。(椅子に座ったまま足をゆるゆる揺らしながら、小さな約束を結びたがった。先の見えない未来への不安はあれど、彼女がいてくれるのならなんだかちょっと無敵な気分。積み重ねる約束が結ぶ明日もあると信じて、小さく笑った。)

三須原弐那〆 ♦ 2021/01/31(Sun) 19:57[71]

(明るい笑顔で迎え入れられた、と、思った。そわっとした風が心に吹いて、追ってなんだか気恥ずかしくなって、口元を微かにまごつかせる。勢いに押されるまま頷くこと一回二回。まずは実践と言わんばかりの言葉に、自分の両頬を両手で包んだ。)……むずかしい、です。世界でいちばんは、なんだか、……(このむずがゆさ、歯がゆさを、なんといえばいいかわからなくて。ぶきっちょに震える頬を両手で上げようとするばかり。「治葛さんの笑顔が可愛らしくて」「久百合さんの笑顔はとても綺麗なんです」ぽっつらぽっつら理由を語りながらまたむにむに。ああこんなことなら、この快活な少女ともっと話をしておけばよかった。打算的なようで感情的なこの心をうまく表現できずにまだ足掻く。そのうち気が付くのだ。ああ、これこそが―何でもないガールズトークっていうものだ。)……いいんですか?(驚きが、瞬き一つに溢れる。小さく笑う彼女はちょっとだけ大人びて見えて、暖かくて。自然とふへ、と唇が綻んだことに少女自身は気が付ていない。ただ、見えない明日が少しだけ明るく見えたのは確か。)ケーキ、好きです。私はチョコレートがいいです。……治葛さん、四人で行くこともできますかね。私と、治葛さんと、立花さんと、久百合さんです。 でも、二人でも行きたいです。内緒の話、たくさんしましょう。……たくさん話すので、たくさん聞かせてください。(紡ぎあげる声は、静かで、それでもたくさん、たくさん。いつかみんなでこうやってテーブルを囲めたら。そしてまたこうして二人で話をできたら。そう願うだけで、今は頭がいっぱいだった。いっぱいに、満たされていた。)

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