bbs topadmin

白亜、今度俺にも鶴教えて。昔っから全然覚えれねえんだけどさ。

近嵐隣 ♦ 2021/01/14(Thu) 05:00[16]

(高専内に危険が及ぶ事はないと言う認識のもと、こと鍛錬以外の場において近嵐の注意力は散漫だ。自室のドアノブで揺れる鶴に気がついたのも二羽目で漸くの体たらくだったが、だからこそ意図ある物と認識出来たとも言えよう。)白亜鶴だんだん上手になってんじゃん。習った?(何羽目かの鶴が揺れた日の午後、何処か土臭い匂いをまとって彼女と行き逢えば、お見通しですよと言わんばかりに初めてその存在に触れた。「ちょい中庭来て」の端的な誘いで以て数分後、校舎の影になった日当たりの悪いこの場所は彼女にとって安息の地に成り得るか。)こないだっからさ、お前にあげようと思って四つ葉のクローバー探してんたんだけどゼンッゼン見つかんねえんだよな。(だから、で説明つかない招待理由と共に、彼女が不思議がるならば「見つけたら良いことあるっつー伝説?がある!」と四つ葉についての補足も添えて。時折彼女の方を見ながらも、視線は基本しゃがんだ足元のクローバーの群生地を注視して幾許か。)……白亜さあ、(紅い双眸を見ない称呼は何の気無しを装って。過日の買い出しを経て尚擡げている疑問を今なら口に出せる気がした。)俺がもし、Xをぶっ潰そうとしたら、お前やだ?(全ての生贄を助け出せたかどうかを近嵐は知らない。現今匿っている少女たちの奪還だけで片付く問題ではなかったとしたら。追加任務が生じたら。予測し得る可能性を前に、少女の行き着く未来を思う。)

乙無白亜 ♦ 2021/01/14(Thu) 23:57[18]

(知育を伸ばす勉強の一環として折り紙を教えてられてから早数日、色を使い分けるということを覚えてからは今日は何色にしようかって考える楽しみも増えた。彼と出会えたならパッとかおばせを華やがせて、彼に近寄るまでがいつも流れ。ただ異なる香りを嗅ぎ分ければ不思議がって彼を見上げるも、紡がれた「上手」には誇らしそうに頷くのだ。)ならった。 もっと、じょうず、なる。(そうしたら千の鶴を折るのだってきっとあっという間。こんなふうに向上心を示すのは、或いははじめてかもしれない。頷きひとつで同意示し校舎裏へ辿り着いたなら、彼の真似っこをしてしゃがみ込む。ここは帽子もサングラスも要らない世界、足許に根を張る草花のように堂々としていられた。)くろーば。わたしも、みつけるする、いい?(自分のやることを理解したなら紅玉を足許に落とし、じっと葉っぱと睨めっこ。彼の声を拾ったなら素直な紅玉をそっちへ向けて、緩く首を傾ぐ。)どうして、つぶす、するの?(疑問をただ純粋にぶつけただけの静かな音だった。彼のことは好き、だから信じている。けれども同じくらい、悪意も作意も知らずに育ったむすめは信徒のことも慕っていた。紅玉が下におちる。小さな指先が日影でも懸命に生きている命を撫でた。)おうち、てんしさまのところ、だけ。 つぶす、したら、ひとりなる。(ぽつり、ぽつり。雨の滴みたいな静かな音が零れていく。)ひとり、なるは、いや。

近嵐隣 ♦ 2021/01/15(Fri) 23:50[20]

鶴以外には習ってねえの?俺は飛行機しか折れねえけど。(ドアに何羽も羽ばたく鶴に千羽鶴を想起して、だからこその四つ葉探索ではあったが、彼女の本意には気づいていない。湿っぽく土臭い地面を見る様にニヤリ歯を見せて笑った。)お前案外見つけんのうまそうだよな~!いーよ。競争しようぜ。(助力求めて声をかけた訳ではなかったが興味を示す姿に否を唱える理由はない。その紅い眼差しを向けられているような雰囲気を感じながらも、真っ直ぐな疑問符に面を上げることは無かった。クローバーと一緒に伝え得る答えを探す中、静かな声に手を止めれば彼女の視線と絡み合う。)…お前が言ってた教祖様が目覚めたら、そのせいで全然関係ねえ人が死ぬかもしんない。(やや押し殺すような声は淡々と、第一声は敢えて予想出来る事象だけを告げた。気付かぬうちに強ばっていた頬に気づけば困り眉で薄く笑う。)呪い、お前には見えねえし信じらんねえかもだけどあそこ結構やばくてさ!……まぁでも、正義っぽいこと言ってもそれ全部俺らの都合なんだよなぁ。そんでも俺は呪術師だから、やんねえとってなったら潰すもんは潰す。白亜が嫌だっつってもそれは変わんなくて、でも聞いときたかったし言っときたかった。(質問に至った理由を吐露すれば、幾らかスッキリした顔で対峙しよう。比して少しだけ高い位置から小さな体躯を見て口開く。)死なねえなら、家だってさみしいのだってどうとでもなるよ。(ずっと此処に居ていいとは言えないくせ、威勢の良さだけで言い切った。)

乙無白亜 ♦ 2021/01/16(Sat) 13:51[22]

おはなとヨット、つくれる。 でも、つるは、とくべつ。だから、たくさんおる、するの。(あれも、これもと指折り数える。習ったものはたくさん。殺風景なむすめの部屋は今や折り紙で作ったもので溢れているけれど、祈りを籠めて折るのは彼に送る鶴だけだ。競争と聞けばほのかに闘争心も擽られるけれど、今はそれよりも意識が向く先がある。むすめの鮮烈な眸とは対照的な、清涼とした冷色のまなこ。ああ、それを冷たいと思ったことは今の一度もなかったのに。淡々と紡がれゆく音を聞くにつれ、どうしてだろう、ひどくつめたいもののように感じてしまった。)……てんしさま。きょーそさまは、すくい、いってた。(方や教祖様が目覚めると人が死ぬという。方や、教祖様が目覚めることで人々は救われるのだといった。どちらも大好きなひとの言葉。どちらも信じているからこそ、どっちの言葉が正しいのかなんてわからない。ただ大好きなひとに大好きなひとを否定されたような気持ちだけが、小さな胸にぐるぐると渦巻いていた。心に比例してかおばせも自然と俯いていく。)わたし、きょーそさま、に、おねがいする。しぬ、するは、だめ。 それで、いい?(だって教祖様は、救いを与えてくれるひとだ。お願いをすればきっと叶えてくれる、そうしたら彼が唯一の居場所を“潰す”必要だってなくなるはずだからって。けれどそれでも、どうしても“潰す”をしなければならないというのなら。)……となりと、いっしょは、いられない、の?(ずっとこのまま。ここにいることは出来ないのかって、淋しそうな音が風に攫われていく。群生する緑が、そよそよのんきに揺れていた。)

近嵐隣〆 ♦ 2021/01/18(Mon) 02:59[27]

(きっと目を逸らしたのはこちらが先だった。近嵐にとって呪いは敵であり悪だ。呪術師の家系に生まれたゆえにそれは事実であり、呪術師は悪を滅する正義だった。そんな当たり前が伝わらない。言葉を尽くしたいのに“当たり前”の善悪を説明出来ないもどかしさに、これまでなら受け流せたはずの“てんしさま”の音にすら焦慮して短いため息がまろび出た。)…白亜の中じゃてんしさまは命の恩人かもしんないけど、俺は人を殺して供物にしようとするやつの言うことは信じらんねえ。(堂々主張する声色は静かに、苛立ちだって隠し遂せていなかったかもしれない。何せ、比して大人ぶっていたって所詮十七そこそこのガキだ。思惟巡らせた上の告白すら彼女の心の在り処を揺らがすことは出来ない事実が歯がゆかった。さりとて、出会ってひと月にも満たない己と天秤にかけて妥協案を探す様はいじらしい半分もどかしい半分。眉尻下げた情けない顔ばせで、いい?に首を振る。)やだよ。だってお前は死ぬじゃん。俺はお前に死んでほしくねえんだよ。(関係ねえ人が死ぬかもなんて不特定多数への被害を尤もらしく口にしたとて、命の重さは不平等だと身を持って実感する。きっと死にかけた人々の中に乙無白亜の姿があったなら、迷わず真っ先に駆け寄る自覚があったから。ねだるみたいな言様を前に彼女の顔を見ることは出来ない代わり、土で薄汚れた指先を物ともせず彼女の頭をかき混ぜた。)すげえずるいこと言うようになったじゃん。俺がずっと一緒にいてやるっつったらさ、白亜礎になんの辞めんの?(YESかNOかでなく、質問に質問で返しながら困った顔で笑った。肯定できない理由が全部彼女にあるみたいな風采で、当てつけみたいにグシャグシャと白い髪を撫でる。本当にずるいのは彼女じゃない。)

乙無白亜〆 ♦ 2021/01/18(Mon) 18:21[29]

(苛立ち、焦燥。そんな息苦しさが彼の言葉から伝わってくれば、さっきまであんなに冷たく見えていた彼の寒色も今はなぜだか寒風の中で灯るマッチの火のように弱々しくむすめの紅玉に映るから、びっくりして白い睫毛をはたりと瞬かせた。)となり、(この時むすめの眸には、彼が大きな子どものように見えたのだ。その姿に何故だかここから逃げ出したいと語り怯えていた生贄の少女が重なって、気が付けば心配がるような音でそっと彼の名を呼んでいた。もう大好きなひとを信じられないと言われても不思議なことに哀しいとは思わなかったけれど、今度はまた別の感情が小さな胸のなかで蜷局を巻いている。彼のことをてんしさまのように優しいひとだと称したけれど、今この瞬間はっきりとそれは違うのだと認識した。)…………。(だって彼は死んでほしくないと言ってくれる。おんなじ色の人間を集めても、そのなかから見つけられるのだと言ってくれる。死ぬことだけがしあわせじゃないと、外はたくさんのきらきらしたものに溢れているのだと、約束が楽しいものだと教えてくれた。困っているような切ないかおばせを見てしまえば、心臓をギュッと掴まれたようなはっきりとした痛みが胸を襲って、紅玉を下へ下へと堕としてゆく。)…………わから、ない。(礎になることだけが、てんしさまへの恩返しだと思っていた。ゆえにいつもなら「できない」と即答するところを、けれど曖昧に濁したのはさっき見た彼の切ないかおばせが頭を過ったせい。あたたかな手がおりてくる。しあわせを増やしてくれる手。知らないことをたくさん教えてくれる手。大好きな手。御髪を乱す彼の手になされるがままにされながら、「あ」ふと眼差しを落とした先にふたつ並ぶ四つ葉を見つけては彼に報告するのだろう。「これでいいこと、ある、いいね」心からそう願った。)

name
icon
msg
文字
pass