五条さんが急行しています、 皆さんも救出に向かって下さい! 」
再び『X[イクス]』への侵入を命じられた俺たちは、再びあの場所に足を踏み入れることになった。
目的は“囚われのお姫様”の奪還、そして生き残りの救出だ。
以前と違うのは、任務の難易度が段違いで上がっていること。
補助監督が言っていた囮作戦の話だとか、何で特級呪霊がいるのかだとか。
聞きたいことは山ほどあるけれど、今はただ目の前の任務の解決が最優先事項だ。
現場に到着した俺たちが見たのは、惨憺たる有様だった。
……ああ、ようやく我々の悲願が達成されるのですね!お母様! 」
私たちがX[イクス]に戻ってきた翌日。事態は急変した。
姿を変えた少女によって、敷地内にいた信徒たちが次々と命を奪われていく。
必死に逃げ出したのはいいけれど、このままでは私だって彼らと同じ末路を辿るだろう。
死の恐怖がすぐそこに迫っている中、──私の目の前に現れたのは、あの日と同じように、彼だった。