結局、彼の護衛が離れると正式な知らせを受けたのは、彼と先生の話を聞いてしまったその日の夜だった。
それから数日、彼とろくに話す時間が取れないまま高専で過ごす私の前に、一人の男が現れた。


「 ――……囮、ですか。 」


どうやら呪術界のお偉いさんらしいその人は、私に『生贄としてX[イクス]に戻り、敵方を油断させてほしい』のだと言う。
確かに、一度いなくなった生贄が戻れば、少なからずX[イクス]内に気の緩みが生じるだろう。
其処を一気に畳み掛けると言う手筈らしい。

引き受けてくれた暁には、必ずもう一度救出しここに戻ってこられること。
そして、必要であれば、ここを出た後も向こう数年は生活を保障してもらえること。
いくつもの好条件を提示した男は、最後に彼の名前を持ち出した。


「 ……本当に、私が囮になったら、彼の助けになるんですか? 」



* * *

囮作戦への協力を了承してしまってから、更に数日経って1月21日。
どうやら護衛任務も今日で正式に解かれるらしい。

もしかしたら最後かもしれない日。私は、彼は、何を思っているんだろう。

任務、調子良いらしいじゃん。僕としても鼻が高いよ。その調子で、次の任務行ってみようか! あ、その前に。ちゃんとあの子とは話した?今日で最後なんだから、お互い悔いだけは残さないようにしなよ。年長者からのアドバイスだ。 [4th]


4th Event---Story

2014年、1月中旬。
二級術師への昇級後、急に多忙を極めた呪術高専生たちが不在のある日、呪術界の上層部の男が女の子に接触します。
『生贄としてX[イクス]に戻り、敵方を油断させてほしい』『ひいてはそれが彼の為になる』という話に、女の子は頷くことしか出来ませんでした。尚、この囮作戦について、上層部の男からは他言無用と言われています。

そして、更に数日後の1月21日。
護衛任務についての正式な知らせがあった日以降、任務続きで不在がちだった呪術高専生たちが久しぶりに終日高専内で過ごすことになりました。
今日で護衛任務も一区切り、様々な変化の中で二人の会話をお楽しみください。

4th Event---補足事項

  • ■スレ立ては【男子】から。タイトル先頭に【4】をつけてください。
  • ■教祖様の顕現は、クリスマスからひと月後の1月25日。その為、囮作戦で女の子がX[イクス]へ戻るのは1月23日、翌24日に救出の流れが予定されています。この作戦は迅速かつ合理的にX[イクス]という不安要素を排除したいと考える上層部が主体となっており、五条悟を含む高専関係者も全貌を把握出来ていません。もちろん女の子たちに協力要請があったことも、現状自身しか知り得ないことです。
  • ■上層部の男から作戦について他言無用と言われていますが、これを厳守する必要はありません。ただ上層部の決定は一高専生に覆せるものではなく、女の子は囮作戦に協力せざるを得ません。
  • ■必須事項:二人で会話する(場所は不問)